研究課題/領域番号 |
20K01905
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分07080:経営学関連
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
川端 望 東北大学, 経済学研究科, 教授 (20244650)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | ベトナム鉄鋼業 / キャッチダウン型技術進歩 / 適正技術 / 市場創造 / 技術選択 / 生産システム / 後発性利益 / 破壊的イノベーション / ドイモイ / 対外直接投資 / 中堅企業 / 技術移転 / 日本鉄鋼業 / 海外進出 / 中国鉄鋼業 / 産業政策 / 過剰能力 / 地球温暖化 / 脱炭素 / 国有企業 / 民間企業 / 外資企業 / イノベーション / 貿易・資本自由化 / グローバリゼーション / 環境問題 / 適応的市場創造 / 社会的受容 / ベトナム / 鉄鋼業 |
研究開始時の研究の概要 |
発展途上国における産業は先進国に蓄積された経営資源を活用して後発性利益を活かす潜在的可能性を備えているが,これを顕在化させるには様々な追加的条件が必要である。本研究は,この課題を企業経営の次元において解決する方法として,途上国国内市場の諸条件を学習し,それに対応して製品とプロセスを調整・開発し,需要を開拓していくこと,すなわち「適応的市場創造」と,生産システムが社会的に認知され,労働慣行・環境・安全などに関する当該社会の規範によって受け入れられるように調整・開発すること,すなわち「社会的受容」を実現することが必要であるという仮説を設定し,その検証に努める。
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研究成果の概要 |
本研究は共英製鋼株式会社を事例として,外資鉄鋼企業のベトナム進出の過程を明らかにした。1990年代末,巨大高炉企業でなく中堅電炉企業であった共英製鋼が,ベトナムが必要としていた技術と製品を提供して進出に成功した。しかし21世紀になると,電炉システムを有する共英製鋼は,ベトナムでは小型高炉一貫システムや誘導炉システムを用いた地場企業の挑戦を受け,傑出したシェアを獲得できなくなった。途上国での事業を論じる際に,先進国企業の技術・生産システムが途上国より優れていると決めてかかってはならない。途上国での事業は,あくまでも当該国の要素賦存条件や需要条件に適合した場合に,初めて成功するのである。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は,先進国企業が途上国において事業を営む際に,「優れた技術・生産システムを適用できる」という先入観に疑問符をつけたものである。巨大企業ではなく中堅企業であるがゆえに,途上国で求められている技術や製品を提供できることがある。また,先進国ではチャレンジャーである中堅企業の技術・生産システムも,途上国では先進国にはない簡素なローコスト生産システムから挑戦を受けることがある。途上国での事業は,あくまでも当該国の要素賦存条件や需要条件に適合した場合に,初めて成功するのである。
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