研究課題/領域番号 |
20K01915
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分07080:経営学関連
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研究機関 | 城西国際大学 |
研究代表者 |
松本 茂 城西国際大学, 国際アドミニストレーション研究科, 教授 (80772079)
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研究分担者 |
砂川 伸幸 京都大学, 経営管理研究部, 教授 (90273755)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | M&A / 企業戦略 / 国際経営 / 新結合 / 相乗効果 / 両利きの経営 / コーポレートファイナンス |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、海外M&Aによる利益成長モデルを提示することを目的としている。2019年の日本企業の海外買収は826件、買収金額の合計は10兆円で今後、その成否が業績に大きく影響すると考えられる。しかし、日本企業が1985年から2011年の間に実行した海外M&A、256件のうち1/3に相当する80件は失敗で、成功は26件に留まる。これまでの研究で失敗の原因は明らかにしつつあるが、本研究では定量、定性分析を組み合わせて海外M&Aの成功モデルを導出する。今回、2012年から2020年の間に実行した買収の調査を行うことで、総対象期間35年、案件数500の最も長期かつ豊富なデータ数のM&A研究となる。
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研究実績の概要 |
令和5年度は、2012年から2015年に日本企業が実行した海外M&A147件の成否判定を完了した。分析対象は、レコフデータから金融、不動産、資源を除く業種における買収金額100億円以上の案件を全て抽出した。そして147件すべてについて、買収企業の決算発表説明資料やニュースリリース、SPEEDAの財務データをもとに買収後の状況を調査した。買収後に対象事業を売却、または撤退した案件を失敗、当該事業セグメントにおいて最高営業利益更新率50%以上を実現した案件を成功とした。判定の結果は147件中、成功が37件、失敗が26件、対象事業に関連した減損計上の案件が5件であった。その他の79件は保有を継続しているが利益成長を実現していなかった。 1985年から2012年までの調査では255件中失敗が79件、成功が26件であったが、2012年から2015年の147件では成功の数が失敗の数を上回っており、日本企業による大型海外M&Aの件数が増加基調であるとともに、草創期と比べ成否が改善していることが分かった。合計すると402件で、日本企業の海外M&Aに関する研究で最も長期かつ最多件数の成否分析となった。 令和5年度は、上記の調査に加えて、日本経済新聞 経済教室やさしい経済学で「企業の成長とM&A」をテーマとした連載(2023年12月)、東洋経済オンラインへの寄稿、マネジメントセミナーでの講演などを通じ、研究成果の発信を積極的に行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
令和5年度は、当初計画した2012年から2015年までに実行した海外M&A147件の買収後の財務データの分析を完了することができた。また、研究成果を日本経済新聞 経済教室やさしい経済学「企業の成長とM&A」(2023年12月)などを通じて発信することができた。
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今後の研究の推進方策 |
今後、今回の2012年から2015年の大型海外M&A、147件の成否判定結果を1985年から2011年の間の255件と合わせて分析していく。日本企業の海外M&Aを草創期と発展期に分け、成否比率が改善している要因を買収時と買収後の経営の視点から探り、海外M&Aによる利益成長モデルを更に具現化して提示していく。
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