研究課題/領域番号 |
20K01921
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分07080:経営学関連
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研究機関 | 和光大学 |
研究代表者 |
金 雅美 和光大学, 経済経営学部, 教授 (20366967)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | オンラインMBA / オンライン授業 / プロフェッショナル教育 / 日本的経営 / MBA / ビジネススクール / 海外MBA派遣制度 / MBAホルダー / コロナ危機 / グローバル人材育成 / プロフェッショナル人材育成 / アメリカ / 日本企業 / 海外教育制度 |
研究開始時の研究の概要 |
海外では成熟しているオンラインMBAが日本で普及していない現状を踏まえ、①海外(アメリカ、インド、マレーシア)のオンラインMBA教育のビジネススクールでの実態とそれを活用する企業実態、②日本企業でのオンラインMBA教育の浸透実態と導入課題の解明、③日本企業でのオンラインMBA教育の普及方法、という視点から調査及び分析を行い、日本企業の課題であるグローバル人材の効率的な育成方法の一つを提案する。オンラインMBAという新たな教育ツールは、今後の社会と企業に対し、ユニークな教育に関する一つの解決方法をもたらすだろう。
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研究実績の概要 |
本研究は、コロナ以前の調査と研究である金雅美『MBAと日本的経営:海外MBA派遣制度の実態と構造』2022年、学文社、のコロナ禍後のオンライン授業と日本的経営との関係を探っている。コロナ禍前後におけるオンライン授業の世界での進展と浸透は、かなり異なっていることがわかってきた。例えば、アメリカの大学の中のマサチューセッツ大学アマーストやニュースクールでは、「プロフェッショナル教育」及び「オンライン授業」と別の名称で大学内で別組織を編成し、その拡大を急務としている。なかでも、マサチューセッツ大学アマーストでは、大学の教育戦略の一部にオンライン授業の分野を位置づけし、将来的には、すべてのビジネススクールのオンライン化を目指している。同時に、世界への進出も視野に入れながら、授業の質と大学内での高い地位を保っている。一方、ニュースクールでも、プロフェッショナル教育と称して、7つのグループ大学の中の一組織として、コロナ禍後には重点をおいている。若い学生だけではなく、障害者や軍人、子育ての主婦層や働いている人まで、広くその市場は広がっている。この点においては、アメリカは教育産業全体の底上げとして、オンライン教育を大学の組織とは別途、戦略や目的を定めている。また、GMACによるMBAレポートでは、MBAの分野では、オンラインMBAは特に今後、有望な分野として、フルタイムやパートタイムの受講者数の数があまり増えていない状況において伸びると確信する、というレポートも書かれている(GMACレポート)。しかし、その実態は、実際のインタビューをしてみなくては、不明な点が多いのが現状である。そのため、詳細にわたる実地調査と、関係教員へのインタビューが必要だと考えた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
現在、研究者(金雅美)は、サバティカルでアメリカに滞在しているため、今年は、アメリカの大学のオンライン授業に関するインタビューを実施する予定である。特に、研究者(金雅美)が10年以上前から調査を継続して実施しているマサチューセッツ大学アマースト校とニュースクール、さらには、ペパーダイン大学、ニューヨーク市立大学など、新しい大学のオンライン授業の現状、目的、戦略などを解明し、それがどのように日本的経営と結びつくことができるのかを明らかにすることを、今年中には可能にしたいと考えている。今後、アメリカのオンライン授業を日本企業が企業研修の中で活用できれば、これまで高い費用をかけて繰り返してきた海外のビジネススクールへの企業派遣制度の形態を根本から変え、日本企業の海外教育制度におけるオンライン授業の進展で、より多くの従業員のグローバル教育を可能にすると考えている。しかし、そのためには、一部の有名大学のオンライン授業ばかりではなく、授業の質が良く、日本企業と組みやすい、値段も高くない草の根大学、及びミドルレベルの大学のオンライン授業の実態を探る必要があるだろう。そのため、アメリカでの実態調査を今年は目的にしている。
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今後の研究の推進方策 |
今年は、①マサチューセッツ大学アマースト校、②ニューヨーク、③ニューヨーク市立大学のオンライン授業、に関して実態調査を行う予定である。その他にも、ペパーダイン大学(カリフォルニア)にも調査を依頼している。実態調査で大切なのは、オンライン教育及びプロフェッショナル教育の責任者及び関係する教員(実際にオンライン教育を教えている)にインタビューを行うことである。可能であれば、大学の学長にも話を伺えると大学全体の戦略、及び目的やオンライン教育及びプロフェッショナル教育の大学における位置づけが明確になる。そのため、実態調査に関しては、より詳細を探るため、トップレベルの人材への調査を心掛けている。その他、アメリカでは、ヒスパニック系、アジア系などの人種によってもオンライン教育のとらえ方が異なっているようである。どのようなレベル(プロフェッション)、人種、経済的背景の人びとにオンライン教育及びプロフェッショナルは浸透しているのか、これを探るのもアメリカでは興味深い現象だと考えている。例えば、マサチューセッツ大学アマースト校では、オンライン教育及びプロフェッショナルは多くの医療関係者に人気があり、学生の20%以上を占めるようである。それぞれの大学には特徴があり、それを探ることも重要な目的の1つである。
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