研究課題/領域番号 |
20K01938
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分07080:経営学関連
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研究機関 | 東京都立大学 |
研究代表者 |
松尾 隆 東京都立大学, 経営学研究科, 准教授 (50305489)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2024年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | ビジネス・リスク / カントリー・リスク / ミャンマー / クーデター / 新型コロナ / 企業行動 / 国際経営 / 政変 / 政治的リスク / 企業家 / エコシステム / 途上国 / 経済発展 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、ミャンマーに進出した日系企業を対象に、閉鎖経済から開放経済に変化した最初期において、どのように現代的な産業が成立し、経済発展が起きるのか、そして、そこに 日系企業がどのような役割を果たすのかを明らかにしようとするものである。この目的のために、現地の日系企業について定点観測的な調査を行う。まず、日系企業のパネルを作成する。特に、2011年以降に進出した企業を主な対象とする。次に、こうしたパネルについて、半年から1年程度の間隔で、定期的に事業状況についてインタビュー調査を行う。新たな企業が進出すれば適宜パネルに加える。こうしたデータの蓄積によって、途上国における企業行動を明らかにする。
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研究実績の概要 |
本年度は、海外渡航の制限が緩められたことから、前2年度実施できなかった海外調査を行った。本研究のテーマである、ミャンマーにおける日系企業の動向を調査するために、約2週間にわたり、現地の駐在者及び日本人起業家に対してインタビュー調査を行った。 特に、新型コロナ、クーデターの影響を明らかにすることに重点を置いた。その結果、特に日系企業に対する影響は3段階に分けられることがわかった。第1に新型コロナによる社会的リスクの増大である。第2にクーデターによる政治的リスクの増大である。そして第3に政治的リスクから派生する為替リスク・資金リスクである。為替リスク・資金リスクは、経済制裁等による外貨不足に起因しており、運転資金、投資資金の不足を招いている。そのため、ビジネスチャンスがあったとしても、それを捉えることができない。これは、現地で事業を行う大企業、中小企業、そして起業家も同様であった。 こうした状況に対して、現地の日系企業がどのように対応するのかは、未だ不分明であり、来年度以降の動向を改めて調査することにしたい。特に、事業を拡大している場合、維持している場合、撤退する場合を分ける要因を明らかにする必要があると考えている。 また、事業の性質(営利事業か社会的事業か)によっても意思決定が変わることが部分的にわかったので、こうした要因を踏まえたモデル構築の必要性を認識した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本研究は、ミャンマーという発展途上国における日系企業の行動を明らかにするものである。しかし、新型コロナ及びミャンマーにおけるクーデターの発生により、本研究企画当時と経済状況が大きく変わってしまった。また、そうした情勢の変化により当初予定していた現地調査にも大きく制限がかかっている。 本年度、ようやく現地調査が可能になり、調査に関する制約は緩和されたものの、経済状況の変化は相当程度の期間、継続すると考えられる。そのため、調査テーマ自体は変わらないものの、成長下における企業行動を想定した研究から、経済的・社会的混乱下における企業行動へと、調査のセッティングを変更せざるを得なくなった。 そのため、たとえば、海外進出企業の撤退行動を含めた理論モデルの組み直しが必要になり、そのための準備を行ったため、進捗はやや遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
現在までの進捗状況で述べたように、本研究の進捗はやや遅れている。それは現地調査への制約と、調査セッティングの変更の必要性によって生じていた。前者の現地調査への制約は海外渡航の制約がほぼなくなったことで解消されると考えられる。一方で、クーデター等による調査セッティングの変更を踏まえて、新たな理論モデルを構築し、調査を進めていくことになる。本年度は、そのための準備を行ったので、今後の研究では、その理論モデルを踏まえた現地調査を行うことになる。 具体的には、現地事業へのリスクをいくつかに分類し、それぞれへの対応をどのように進めているのか、その結果、撤退を含めた意思決定をどのように行うのかを明らかにする予定である。 そのために、来年度は積極的に現地調査を行う予定である。
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