研究課題/領域番号 |
20K01946
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分07080:経営学関連
|
研究機関 | 東洋大学 |
研究代表者 |
薗部 靖史 東洋大学, 社会学部, 教授 (80456285)
|
研究分担者 |
川北 眞紀子 南山大学, 経営学部, 教授 (60440806)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
|
キーワード | パブリック・リレーションズ / 芸術支援 / アートプレイス / メディア / 知覚プレステージ / 相互波及効果 / 態度 / 関与 / パブリックリレーションズ / 芸術組織 / スポンサーシップ / 企業ブランド / アートイベント / ステークホルダー / アート・イベント / 企業の芸術支援 / 組織論の複合戦略モデル / 組織内効果 / 組織外効果 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の目的は、企業の支援する芸術が組織内外との関係性に及ぼす効果を体系的に捉えることである。具体的には、組織論における複合戦略モデルをベースにして、企業の芸術支援が従業員や消費者との関係にどのように影響するのかを実証的に検討する。企業が支援する芸術を四象限に分類し、それぞれの特色と期待される効果を探索的に捉えるため、企業と芸術組織にインタビューを行う。そこで得られた知見を踏まえて仮説を提起する。これを検証するために組織内外へのアンケート調査を実施し、多変量解析を加える。以上のプロセスを通じて、芸術が集団や個人と組織の関係に及ぼす影響を明らかにし、組織論における複合戦略モデルの拡張を試みる。
|
研究実績の概要 |
本研究の目的は、企業の支援する多様な芸術が組織内外との関係性に及ぼす効果を体系的に捉えることである。令和4年度はこれまで続けてきた本研究が、いくつかの学術的成果として結実した。まず、学術書・学術論文で言えば、おもにStudy 1(組織内部への影響)に、一部はStudy 2(組織外部への影響)に関わる学術書『アートプレイスとパブリック・リレーションズ -- 芸術支援から何を得るのか』(2022年12月)を出版し、学術論文「メディアとしてのアートプレイス ― 芸術支援のパブリック・リレーションズにおける役割 ―」(2023年3月)を『マーケティングジャーナル』で発表した。 次に、学会報告も行った。Study 1については、日本広報学会 第28回研究発表全国大会(2022年10月)、第172回マーケティングサロン(2023年3月)で報告した。加えて、本研究の意義を学術界と実務会に伝えるために、公益財団法人 産業雇用安定センターが発行する広報誌「かけはし」2月号(2023年1月)と『日経広告研究所報』328巻(2023年4月)に総説を寄稿した。 一方、Study.2に関しては国内外での口頭報告およびポスター報告を行った。the 7th Word Social Marketing Conference (Poster, 2022年9月)、日本マーケティング学会第11回マーケティングカンファレンス2022ポスターセッション(2022年10月)、日本マーケティング学会 第7回<アート・イン・ビジネス研究報告会>(2023年1月)を実施して得られたフィードバックをもと定量調査を実施し、26th International Public Relations Research Conference(2023年3月)で報告した。途中経過報告ではあったものの、日本マーケティング学会カンファレンス2022では、ベストポスター賞を受賞することができた。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
2020年度と2021年度は新型コロナウイルス感染症の流行のため、研究が思うように進まなかった。インタビュー調査が滞ったり、海外での報告を複数回断念するなど企業の芸術支援の実情を捉え、海外の研究者や実務家と直接議論をする場がもてないことは、非常に歯がゆかった。しかし、それでも、オンラインに切り替えて調査や報告を続けた結果、2023年度中に果たしたいと考えていたStudy1, 2に関する主要著書『アートプレイスとパブリック・リレーションズ -- 芸術支援から何を得るのか』の出版、および、学術論文「メディアとしてのアートプレイス ― 芸術支援のパブリック・リレーションズにおける役割 ― 」の発行を達成することができた。また、Study2については、独自のインタビュー調査は行えていないものの、国内外での報告で得られたフィードバックをもとにアンケート調査を実施することができており、予定よりも1年前倒しで進んでいる。加えて、Study1は国内で、Study2は国内外で学会報告等での発表を重ねた結果、特に、上述した著書を発表した後の反響が大きかった。日本マーケティング学会で2回報告依頼を受け、マーケティング・コミュニケーション関連業界で読まれる『日経広告研究所報』からアートプレイスとパブリック・リレーションズに関する解説文章の依頼を受けた。以上の状況を鑑みれば、進捗状況は当初の計画以上に進展し、反響が得られたと言えるだろう。
|
今後の研究の推進方策 |
2023年度は本研究課題の最終年度にあたる。国内外の会議で報告を行うことで、さらなる情報発信と意見交換を続けていきたい。2023年3月に訪問したInternational Public Relations Research Conference(アメリカ合衆国フロリダ州オーランド)にて、Orlando Museum of Artでスタッフに話に話を聞いて同国での芸術支援のスポンサーシップに関する実情を聞いた。また、ライプツィヒ大学の研究グループと議論することによって、European Public Relations Education and Research(EUPRERA)に応募に関する情報を掴むことができた。2023年3月にオーラルセッションに応募を完了したが、もしも受理されたら、チェコのプラハで開催される24th EUPRERAで報告する予定である。同時に、2024年度以降にも研究を繋いでいくために、参加者の割合が高いと考えられるヨーロッパの研究者を中心に、企業の芸術支援の実情を把握して、インタビュー調査やフィールドワークの足掛かりを作っておきたい。
|