研究課題/領域番号 |
20K01955
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分07080:経営学関連
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研究機関 | 阪南大学 |
研究代表者 |
奥 康平 阪南大学, 経営情報学部, 准教授 (40549812)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2023年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2022年度: 130千円 (直接経費: 100千円、間接経費: 30千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | グループ経営 / 持株会社 / 企業の境界 / 経営統合 / グループ企業 / グループ戦略 / 中間組織 / 準市場 / 企業グループ / 純粋持株会社 / 本社の役割 |
研究開始時の研究の概要 |
例えばトヨタグループやイオングループと呼ばれる多くの関連子会社(グループ企業と呼ぶ)を持つ「企業グループ」の中心にある「本社」の役割について研究を行う。具体的には、本社はどのような仕事をしており、他のグループ企業にとってどのような影響をどの程度与えているのかについて考える。基本的には、日本にある大企業へのアンケート調査とヒアリング調査を通じて、日本の本社の役割とグループ全体の経営とはどのようなものかについて考えていく。同時に、日本のグループ経営の理論的な関係についても海外のグループ経営のこれまでの研究を見ながら明らかにしていく。
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研究実績の概要 |
本研究におけるキーワードの1つであるグループ経営の定義及び実態について、本研究において実施した企業へのアンケート調査を基礎データとして明らかにした。 端的にいうと、日本におけるグループ経営は、2000年代に相次いで実施された会社法改正による法的適応の時代を経て、2010年代には経営戦略的視点からグループ経営を考える時代に入ったということができる。多様な企業再編手法が確立する中で、企業か市場かという二者択一的な視点から、企業と市場の間に企業グループという第三の再編区分が創造されたといえるだろう。 その上で、本研究では、日本において、徐々に法的な区分ではあるものの、企業グループ数が増加していることを指摘し、それに適応した本社形態として純粋持株会社の普及が進んでいることを明らかにした。さらに、企業グループ数30社以下の比較的小規模な企業グループが全体の70%以上を占めていることから、本社が管理できるグループ企業数には限界があることも示唆された。 他方で、一般的に企業グループにおいては複数の事業を展開しているが、例えば、当該企業グループの戦略上、重要である事業を担うグループ企業と、そうではない事業を担うグループ企業がある場合、それぞれの権限の相違などがあるのか。あるとするならどのような相違があるのかについても本アンケートにて明らかにしようとした。その結果、グループ経営上、事業の重要度に違いがあるにも関わらず、グループ企業各社への戦略の相違はないという回答結果が大半であった。すなわち、日本におけるグループ経営は実際の企業経営の現場においても発展途上であること。加えて、今後一層の、企業グループ戦略と呼ぶべき、独自の戦略理論が構築されるべきであるといえる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
これまで、おおよそ計画通りの研究ができたが、最終成果物である理論研究を中心とした論文の完成には今しばらくの時間がかかると判断したため。
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今後の研究の推進方策 |
日本におけるグループ経営は、アンケート結果から判断したところ、実際の企業経営において理論化されていない部分が多くある。例えば、企業グループが展開する各事業には重要度において差があるはずである。その差は、すなわち企業グループにおけるグループ企業への経営戦略策定における差になるはずである。しかし、アンケート調査では、グループ企業に与える権限などに関するアンケート項目から、戦略的な差がないという回答が多かった。つまり、日本においてグループ経営という経営手法は一定程度普及しているにも関わらず、その実態に理論が追い付いていないというのが現状である。 本年度は、上記の課題を解決するために、なお一層の理論研究が必要と判断したため、企業と市場の間にある組織に関して論じた、準市場や中間組織に関する理論を参考に、文献などを中心とした先行研究理解を通じ、グループ経営における理論構築を目指すこととする。
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