研究課題/領域番号 |
20K01970
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分07090:商学関連
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研究機関 | 中央大学 |
研究代表者 |
久保 知一 中央大学, 商学部, 教授 (40376843)
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研究分担者 |
崔 容熏 同志社大学, 商学部, 教授 (70315836)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 卸売統合 / 取引費用 / 動的取引費用 / 先行型市場志向 / 卸売業者 / イベントスタディ / パワーコンフリクト論 / 製造業者 / マーケティング・チャネル / 商業統計 |
研究開始時の研究の概要 |
製造業者は製品・サービスを最終顧客に届けるために流通業者を利用する。日本では多くの産業で製造業者のパワーが強く、製造業者が卸売段階を部分的に統合する「卸売統合」が行われてきた。しかし、卸売統合に関するこれまでの研究は業種レベルで集計された商業統計のデータや、個別企業に対するアンケートデータを用いてきたため、業種内での企業間の卸売統合の違いや、卸売統合が企業成果にどのような影響を与えているのかというミクロ的なエビデンスは得られていないままである。本研究では、商業統計をはじめとする政府統計の二次利用を行い、企業レベルおよび事業所レベルのミクロデータを用いて、卸売統合の効果を実証的に検討する。
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研究実績の概要 |
製造業者が流通業者を利用して製品・サービスを最終顧客に届ける場合、彼らをしばしば卸売段階を部分的に統合する卸売統合を行う。2022年度は、第1に、卸売統合を説明するものと期待される2つの理論的枠組である取引費用論と組織能力論について、それらの概念的な異同を識別しつつ仮説を設定する研究を行った。シェアの高い製造業者は卸売統合を橋頭堡としてマーケティング・ミックスを構築する傾向にある。新制度派アプローチとして知られる取引費用論と組織能力論は卸売統合を説明する理論である。しかし、両者はともに限定合理性を行動仮定し、さらに人的資産特殊性と組織能力というやや似た構成概念を含んでいるため、両者の関連性をめぐって理論的な混乱が生じている。そこで本論では、両者の差異と関連性を問い直し、製造業者による卸売統合を題材として、取引費用論と組織能力論の理論的差異を明示し、両者を1つの行為論的モデルとして示した。第2に、アパレル製造業者を対象とした実証研究を行った。既存研究では、企業の先行型市場志向は製品差別化やイノベーションに正の効果を及ぼすことと、その効果が様々な要因によって調整されることは知られていたが、製造業者が採用する流通様式の延期化の影響については検討されていなかった。そこで、企業の先行型市場志向が製品差別化に与える正の効果が製造業者の流通様式の延期化によって中和されることを探索活用モデルを用いて仮説化し、実証分析を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
取引費用論と組織能力論を含めた仮説の設定とリサーチデザインに手間取ったため、日本の製造業者を対象としたアンケート調査を実施できなかった。
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今後の研究の推進方策 |
2022年度に理論仮説の設定を終えているため、2023年度は製造業者へのアンケート調査を行い、年度内に論文として投稿する予定である。
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