研究課題/領域番号 |
20K01987
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分07090:商学関連
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
佐藤 栄作 千葉大学, 大学院社会科学研究院, 教授 (10366940)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2024年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 統合モデル / 来店間隔 / カテゴリ購買生起 / 購買行動モデル |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、次の手順で研究を進める予定である。はじめに関連論文・文献の整理を行う。その後、基礎となる統計モデルの構築と実証研究、複数カテゴリの購買生起部分のみを対象としたサブモデルの構築、同サブモデルを利用して複数カテゴリの購買生起を考慮した統合モデルへの拡張と実証研究を行う。引き続いてカテゴリ購買生起の要因として品揃え等施策の影響を組み込んだ統合モデルの実証研究を進め、最終的には品揃え等施策の来店タイミング・頻度への影響の考慮が可能となる統合モデルへの拡張と実証研究を行う。
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研究実績の概要 |
本研究は,小売業の視点から消費者の購買行動に関する理解をさらに深めていくために,消費者の購買行動プロセスの複数のフェーズ(主に来店行動段階とカテゴリ購買意思決定段階)を統合し,かつ複数商品カテゴリを考慮した購買行動の統合モデルの構築を目指して取り組んでおります。また,このような統合モデルを適用した実証研究を通じて,複数の商品カテゴリで実施される品揃えやプロモーション等の施策が,消費者の購買行動,具体的には顧客としての継続・離脱,来店タイミングや頻度,カテゴリ購買の意思決定に及ぼす影響,ならびにそれらの相互関係に関する知見を得ることも,本研究の目的としています。 上記の研究目的に対して,令和4年度は,令和3年度に引き続き関連論文・文献の整理,ならびに基礎となる統計モデルの構築と実証研究に関する研究活動を進めて参りました。具体的には、複数商品カテゴリ購買生起のモデル化に関する先行研究の確認,特に注目すべきモデルの特定,本研究における拡張の方向性と可能性を評価するためのシミュレーション用プログラムの開発を進めてきております。また,これらの研究活動と関連する研究として,複数商品カテゴリ購買の結果として生じる購入金額(客単価)の最大価格に対する割引率と,潜在的な消費者の情報探索の状態遷移の関連性について隠れマルコフモデルを適用して実証研究を行い,その成果については日本マーケティング・サイエンス学会第111回研究大会等にて報告いたしました。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究は,複数商品カテゴリを考慮した購買行動の統合モデルの構築を目指して取り組んでおり,主な研究活動として,①関連論文・文献の整理,②基礎となる統計モデルの構築と実証研究,③複数カテゴリの購買生起部分のみを対象としたサブモデルの構築,④複数カテゴリの購買生起を考慮した統合モデルへの拡張と実証研究,⑤カテゴリ購買生起の要因として品揃え等施策の影響を組み込んだ統合モデルの実証研究,が想定されます。 本研究期間の3年度目である令和4年度は,①関連論文・文献の整理に関して,令和3年度までに整理の対象としていた一連の先行研究とは異なるアプローチで本研究のモデル構築に応用可能な先行研究の文献を新たに見つけ,同研究ならびにそのアプローチに関連する研究にレビュー対象を広げ先行研究の整理に取り組みました。なおこのような別のアプローチも含めて複眼的に研究を進める理由は,考慮するカテゴリ数の増加に伴い計算負荷が増大するいわゆる次元の呪いに対処する方法を探索するためです。③複数カテゴリの購買生起部分のみを対象としたサブモデルの構築に関しては,上記の新たなアプローチに基づくシミュレーション用プログラムの開発に着手し,3月時点で2カテゴリを対象としたプログラムの構築までは完了するに至っております。 前々年度(令和3年度)までの研究活動において,本研究における既存モデル拡張の方向性と可能性を評価するためのシミュレーション用プログラムの開発を進め,さらに関連研究として来店行動段階に関する実証研究を行い,学会報告を行うことができましたこと,初年度の研究成果として公表しております単一カテゴリを考慮した統合モデルの実証研究の拡充のために必要となるデータの前処理プログラムを開発し,実証研究用のデータの入手と加工も順調に進んでおりますことから,本研究課題全体としておおむね順調に進展していると判断しております。
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今後の研究の推進方策 |
令和5年度は,前年度に引き続き,主に,①関連論文・文献の整理,③複数カテゴリの購買生起部分のみを対象としたサブモデルの構築,④複数カテゴリの購買生起を考慮した統合モデルへの拡張と実証研究に関する研究活動を進める予定でおります。 はじめに①関連論文・文献の整理に関しては,特に複数カテゴリの購買生起のモデル構築について,令和3年度までに想定していたアプローチに加えて,それとは異なるアプローチも有力な候補となることから,対象を広げ,複数のモデル構築アプローチに関する既存研究の整理を進めていくことを予定しています。 ③複数カテゴリの購買生起部分のみを対象としたサブモデルの構築に関しては,令和3年度までに想定していたモデル構築アプローチに加えて,上記の通り令和4年度に新たに候補として加えたアプローチによるシミュレーション用プログラムの開発と改良を行い,それを用いた数値実験を継続することを想定しています。後者のプログラムについてはすでに2カテゴリを対象とした数値実験用プログラムは完成しており,令和5年度はそれを,3カテゴリ以上を対象としたものに拡張する予定です。その上で,実証研究で必要となるデータの加工用前処理プログラムの開発も並行して行い,実証研究を行う予定でおります。これらのサブモデルが完成した後に,すでに本研究プロジェクトの研究成果として公表済みの単一カテゴリを考慮した統合モデルに組み込み、④複数カテゴリの購買生起を考慮した統合モデルへの拡張と実証研究に関する研究活動へと接続していく予定でおります。令和4年度に引き続き令和5年度もサブモデルや統合モデルのシミュレーション用プログラム,ならびに分析用データの前処理プログラムの開発に多くの工数が必要となることが見込まれるため,それらの作業に優先的に取り組んでいくことを想定しております。
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