研究課題/領域番号 |
20K02046
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分07100:会計学関連
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研究機関 | 麗澤大学 |
研究代表者 |
鈴木 大介 麗澤大学, 経済学部, 教授 (00535536)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | リスク / 利益計算 / 対応概念 / リスクからの解放 / 資産負債アプローチ / 収益費用アプローチ / 不確実性 / 存在に関する不確実性 / 結果に関する不確実性 / 実現主義 / リスク概念 / 支配概念 / 概念フレームワーク / 資産・負債アプローチ / 収益・費用アプローチ |
研究開始時の研究の概要 |
「財務諸表の構成要素とその根底にある基礎概念の関係を理論的に明示し,経済的影響を分析可能とする理論ツールをどのように構築するか」という問題意識のもと,企業のキャッシュ・フローにかんするふたつのリスクの観点から財務諸表の構成要素と基礎概念を整理し,理論モデルを構築する.それによって,資産・負債アプローチと収益・費用アプローチの統合をめざす.(1)ふたつのアプローチの再検討,(2)リスク概念による財務諸表の表現の試行とふたつのアプローチの統合,そして(3)その理論モデルとしての数理的表現方法の開発をし、ふたつのアプローチの議論を解決させるとともに,利益の役割を分析する理論ツールを提供する.
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研究実績の概要 |
アイディアの発想時点より、本研究(資産・負債アプローチと収益・費用アプローチの統合~リスク概念に基づくモデルの構築)の最終的な目標は、財務諸表の構成要素とその根底にある基礎概念の関係を理論的に明示し,経済的影響を分析可能とする理論ツールをどのように構築するかという観点から,企業のキャッシュ・フローにかんするふたつのリスクの観点から財務諸表の構成要素と基礎概念を整理し,理論モデルを構築することにある。その最終目標を達成するために研究は以下の3段階に分けていた。すなわち、(1)ふたつのアプローチの再検討,(2)リスク概念による財務諸表の表現の試行とふたつのアプローチの統合,そして(3)その理論モデルとしての数理的表現方法の開発をするということである。過去の研究進捗の遅延のため、計画が遅れており、本年度では、昨年度にひきつづき3段階にわたる研究の2段階が終了し、3段階目の途中の状態にある。とはいえ、一定の進捗があった。
本年度は、過去の税務会計研究学会と日本会計研究学会での報告、さらには、前年度のKelaniya universityの国際学会でも発表をもとに修正を加え、本年度はブルネイ工科大学主催のInternational Conference on Business, Management and Information Systemsで発表するとともに、論文としてアクセプトされ、2024年度に査読論文を公開できることになった。これにより本研究の基礎が強化され、リスクによって利益計算を描写するモデル作成に大いに役立った。現状は、3名体制となった本研究の勉強会を重ね、モデルの前提の確定をしているところである。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
本来、2段階目の研究成果を早期に実施するはずであったが、査読対応に時間がかかってしまい、有益ではあったものの時間を要してしまった。そうした遅れに対応するため、本年度より、神奈川大学と明治学院大学に所属する研究者の協力のもと、3名で研究を進めることになった。これにより、定期的に研究会を開催することができ、先行研究の検討など、研究に深みを増すことができるとともに、研究の遅延に歯止めをかけることができた。ただし、そうした事情にくわえて、当事者である鈴木が本務校を変更し、現在の大学で役職についたこともあり、研究の進展が遅れたのは事実である。ただし、そうはいっても、次年度中に3段階目のモデル設定を完成され、海外で一度は発表するつもりである。
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今後の研究の推進方策 |
2024年度にASEAN Journal on Science and Technology for Developmentに 神奈川大学の上村昌司教授と明治学院大学の山田純平教授との共同研究The Perspective of Cash Flow Risks on Earnings Calculationが論文としてアクセプトされることとなった。今後は、これらの論文を理論的な背景とし、具体的なモデルを設定し、利益計算におけるキャッシュフローのリスク許容度について、どの程度が社会的厚生を最大化できるのかを計算することが焦点となる。月1度程度の研究会を重ね、少なくとも次年度の後半当たりで、学会等の発表をし、集大成としたい。
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