研究課題/領域番号 |
20K02048
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分07100:会計学関連
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研究機関 | 中央大学 (2022-2023) 専修大学 (2020-2021) |
研究代表者 |
櫻井 康弘 中央大学, 商学部, 教授 (80338615)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 会計情報システム / 実態調査分析 / 統合化 / 会計情報システム構築形態 / 組織特性 / 部門横断的データ利用 / 商品売買取引の処理方法 / 情報技術 / 商品売買取引処理 / 実態調査 / 会計情報の利用 / 商品売買の取引処理 / 総勘定元帳システム / 組織適合性 |
研究開始時の研究の概要 |
会計情報システムの構築は情報技術の発展と大きく関係しており,情報技術の適用水準の相違は会計情報システムの構造や機能を決定する大きな要因となる。しかし,会計情報システムの構造や機能は,それを構築する企業の情報技術水準と,経営戦略や行動様式といった企業固有の組織特性との関係において画一的ではないと考えられる。本研究は,会計情報システム構築に影響を及ぼす諸要因を明らかにすることを目的としている。
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研究実績の概要 |
情報技術は会計情報システムの構造や機能に影響を与える大きな要因の一つである。会計情報システムの統合化水準の相違は,業務データの分散入力,部門横断的データ利用,業務プロセス間のデータベース統合,現場でのデータの抽出と分析,およびリアルタイムでの自動仕訳処理といった諸要因から識別することができる。 2018年と2022年に実施した上場企業を対象にした郵送質問票調査結果を分析し,わが国の会計情報システムはともに四つのタイプに分類された。とりわけ,統合化水準の重要な要素となる部門横断的データ利用の状況は,先行研究との比較によって年々浸透してきており会計情報システムの統合化が進展してきていることを明らかにすることができた。さらに,独立型指向のシステム形態の企業では売上原価を期末等に一括計上する傾向にあり,統合型指向のシステム形態の企業では売上原価を商品の販売のつど計上する傾向にあり,会計情報システムの統合化水準の相違によって基幹業務処理の方法が異なることも明らかにすることができた。 一方で,会計情報システムに適用される情報技術要因だけではそれを説明することはできない。そこで実態調査分析をつうじて,情報技術の適用が企業固有の組織特性に応じて適合的または選択的に行われることを明らかにした。統合型システム形態の企業では,組織の変革や業務の効率化を戦略上重視し,創造的かつ協調的関係を重視した行動様式をとり,環境変化に応じて会計情報システムを構築し会計情報を充実させている傾向にあった。一方で,独立型システム形態の企業では,コアビジネスを戦略上重視し,保守的または閉鎖的という行動様式であり,外部報告目的の会計情報を重視する傾向にあった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本年度は,郵送調査票による実態調査分析をつうじて,会計情報システムの構築の技術的要因,構築形態の状況,構築形態と商品売買取引の処理方法との関係,会計情報システムと組織特性要因との関係について明らかにすることができた。それらの結果を論文や学会で報告することができた。しかし,実態調査分析においてまだ分析できてない項目がいくつかあるため,総合的に評価してやや遅れているとした。
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今後の研究の推進方策 |
郵送質問票の分析において,これまでの組織特性要因とした企業のマネジメント・スタイル,組織行動様式の質問項目に加えて,業務遂行上の職場環境への認識,会計情報の利用状況,経理・財務部門人員のIT(情報技術)技能の修得状況,および経理・財務部門人員の業務知識や技能の獲得に関する質問項目についても分析を進めていく予定である。
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