研究課題/領域番号 |
20K02053
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分07100:会計学関連
|
研究機関 | 椙山女学園大学 |
研究代表者 |
大串 葉子 椙山女学園大学, 現代マネジメント学部, 教授 (80325555)
|
研究分担者 |
上總 康行 福井県立大学, 地域経済研究所, 研究員 (20121494)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
|
キーワード | 海外事業 / 投資評価 / 新規参入 / 投資評価指標 / 売上高 / 営業利益 / 最終損益 / 海外投資プロジェクト / 事後監査 / 事業計画 / 投資経済計算 / 投資意思決定 / インタビュー調査 / アンケート調査 / 評価指標 / 事例 / 実証 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、まず、①一連のビジネスプロセスにおいて「どんな会計情報を、どのように利用、管理しているのか」について、これまでの知見を網羅的に調査して理論的整理を行う。そのうえで、海外事業に焦点をあてて、②これまで行ってきた事例企業から得られた知見をもとにアンケート調査を実施し、③事後監査によって提供されるフィードバック情報を将来の意思決定へどのように活用しているかについて実証的に検証する。
|
研究実績の概要 |
コロナ禍が落ち着いて企業にヒアリングが実施できる環境が整ってきたので、リサーチ企業を訪問して経営者に海外事業の現況について詳しく伺うとともに、2020年から2022年の3年間の海外事業への設備投資データや国ごとの事業報告書、収支報告書も収集した。 コロナ前(2019年)のデータと比較したところ、海外事業の経営環境が劇的に変化しているのが確認できた。具体的には、投資を開始してから10年未満の、赤字が続いていて投下資本の回収可能性が危険水域に達していた2か国の事業が収益の幅超過に転じていて、現地での拡大生産を賄うだけの設備投資費用を大幅に上回る収益を上げていた。また、現地事業の投資評価の尺度も、前回調査時は累積損失が投下資本を上回ってしまう時期が主要な指標として利用されていたが、今回の調査では通常の投資評価で利用される評価指標である売上高と営業利益、最終損益が使われていた。さらに、上記の2か国のうちの1か国では、その国で収益を上げるためではなく、日本国内の本社が自動車産業に参入するための足掛かりとしてライバル企業が参入する前に当該国への投資を実施していたため、進出当初は収益管理よりも現地での自動車産業からの受注データが投資の評価指標であったが、狙い通りに日本国内でも自動車産業への進出を果たすことができたあとは、通常の投資評価指標に変更したことも分かった。 上記の分析と考察について、中小企業会計学会の統一論題で詳細に報告した。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
コロナ禍でインタビュー調査を中断していたが、企業でも少しづつ部外者の企業内への受け入れが可能になったために、国内のみではあったが、インタビュー調査が実施できるようになった。コロナの営業で経営環境が激変したために、海外事業への投資評価も大きな影響を受けていることを想定していたが、リサーチ企業が製造業であったこともあり、新型コロナの経営への影響は限定的であったため、これまでの調査手法を継続して実施することができたため。
|
今後の研究の推進方策 |
昨年度までに得た知見をもとに、本年は海外事業を実施している企業への大規模なアンケート調査の実施を見込んでいる。アンケート調査で定量的なデータを得るとともに、これまでコロナ禍で実施できなかった海外の現地法人の経営者に対する対面でのインタビュー調査と現地視察も実施することで定性的なデータも入手して分析・考察に反映させる。こうした調査を実施することで、海外事業の投資評価指標や方法について、定量的・定性的の両面から包括的な分析を実施する予定である。
|