研究課題/領域番号 |
20K02054
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分07100:会計学関連
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研究機関 | 立命館大学 |
研究代表者 |
松浦 総一 立命館大学, 経営学部, 准教授 (50554317)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2022年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2021年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2020年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | 評判 / 税負担削減行動 / 実効税率 / ブランド資本 / 租税回避 / 評判コスト / 限界税率 / 資本コスト / 研究開発税制 / 組織再編税制 / CBバリュエーター / 分位点回帰 / ブランド価値 / 租税負担削減行動 |
研究開始時の研究の概要 |
有名な巨大多国籍企業が納税義務を回避するために複雑な取引を行い,結果として非常に低い納税額しか負担していないという事実が明らかになり,世間に注目されている。 しかし,すべての企業が納税額を最小にするために行動している訳ではない。企業は納税額の最小化ではなく,その他のコストも考慮した上での税引後キャッシュ・フローの最大化,つまり企業価値の最大化を目指している。税コストと二律背反な関係にあるコストとして,過度な租税負担削減行動が引き起こす評判の低下がある。本研究では,企業が過去に作り上げてきた高い評判が,企業の租税負担削減行動を抑制しているのかどうかを検証する。
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研究成果の概要 |
税コストと非税コストのトレードオフを検証するため、非税コストの1つとして評判(reputation)に注目し、企業が蓄積した評判と、企業が直面する税コストがトレードオフになる状況を定量的に検証した。具体的には、税コストを引き下げる税負担削減行動は、企業の税引後キャッシュ・フローを増加させる一方で、企業の評判を毀損する可能性がある。そこで企業の評判の代理変数としてブランド資本を、税負担削減行動の代理変数として複数の実効税率を用いることで検証を行った。その結果、高いブランド資本をもつ企業は、税負担削減行動をとらない傾向にあることを示した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、日本では注目されてこなかった非税コストとして企業の評判に注目し、企業が評判を高めることによって、企業価値を増加させることを意図した税負担削減行動が、結果てきには企業の評判を毀損し、企業価値に負の影響を与える、という企業の評判が高いが故に企業が被るコストの存在を明らかにした点は、学術的または社会的に意義があると考える。
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