研究課題/領域番号 |
20K02066
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分08010:社会学関連
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研究機関 | 北九州市立大学 |
研究代表者 |
深谷 裕 北九州市立大学, 地域戦略研究所, 教授 (60435732)
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研究分担者 |
稲月 正 北九州市立大学, 基盤教育センター, 教授 (30223225)
坂本 毅啓 北九州市立大学, 基盤教育センター, 准教授 (30353048)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2020年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
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キーワード | 出所者 / ノーマライゼーション / 包摂型地域 / インフォーマル / 犯罪 / 伴走型支援 / 後方支援 / 対話 / 当事者 / 刑務所 / 伴走型 / 刑務所出所者 / 地域生活定着支援センター / 連携 / 司法福祉 / 社会的包摂 / 施設コンフリクト / 地域住民 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、刑務所出所者の地域生活の継続を可能にする包摂型地域の具体的態様と、そのような地域社会をつくりあげていく条件と方法、および包摂型地域の形成を阻む要因について実証的に明らかにする。 再犯防止の推進には社会的包摂の視点が重要とされている。だが、触法者の多くが依然として地域社会において差別や排除の対象になっているにもかかわらず、住民との対立を乗り越え、包摂型の地域社会を構築するための具体的方策については研究されていない。 本研究は、出所者に対する社会的包摂を促進する要因を、出所者本人、支援者、地域住民の各視点から検討し、包摂型の地域社会を構築する上での具体的な道筋を見出そうとする研究である。
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研究成果の概要 |
本研究から、出所者らと一般住民との交流事例として、職場の同僚や、近隣店舗での交流、当事者同士の個別的交流等があり、孤立回避の一助となっていることが明らかになった。支援者はこれらの事例では、伴走的支援による相談や、地域への働きかけを通したイメージアップなど後方支援をする傾向にあった。また、触法者本人の語りや彼らの実情を映した映像に触れることが、一般市民の社会課題に対する当事者性を強め、包摂型地域づくりに向けた議論の契機になることが示唆された。北欧ではノーマライゼーションの思想が刑事政策領域でも浸透しており、日本社会において触法者を取り巻く包括型地域の構築を図る上でヒントになると考えられた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究成果により、包摂型地域の形成においてノーマライゼーション思想が持つ意味の重要性を示したという点で意義がある。出所者が孤立せずに生活者として暮らす上では、専門職だけでなくインフォーマルなつながりも大切であり、支援者の後方支援によりこのような関係性の形成・維持が可能となることが示された。同時に、一般市民の地域課題に対する当事者性を喚起する上では、触法者本人の語りや刑務所の取り組みをとりあげた映像も一定程度の有効性をもつことを明らかにした点で意義がある。
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