研究課題/領域番号 |
20K02067
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分08010:社会学関連
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研究機関 | 札幌学院大学 |
研究代表者 |
大國 充彦 札幌学院大学, 経済経営学部, 教授 (40265046)
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研究分担者 |
玉野 和志 東京都立大学, 人文科学研究科, 教授 (00197568)
西城戸 誠 早稲田大学, 文学学術院, 教授 (00333584)
新藤 慶 群馬大学, 教育学部, 准教授 (80455047)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 日本の労働運動 / 炭鉱労働組合 / 生活史研究 / もうひとつの可能性 / 労働組合運動 |
研究開始時の研究の概要 |
日本の労働運動や社会主義は、米国で学んだ知識人によって担われたが、英国など欧州では労働者出身の運動家や政治家に担われることが一般的であった。戦後日本の、炭鉱労働者出身の指導者による労働組合運動の生活史記録を作成することによって、労働者を出自とした労働組合運動の可能性と限界を明らかにすることができる。 それは、ドイツのように学生運動や労働組合運動が緑の党という政党を生み出し、韓国、台湾、香港では草の根の市民運動が活発であるのに、なぜ日本では運動が持続しないのかといった議論にも接続する。炭鉱労働組合運動の「もうひとつの可能性」を探究する中で、日本の社会運動の現状を逆照射することができる。
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研究成果の概要 |
笠嶋一氏から寄贈された資料のうち、自筆の日記1948-1951年に関しては、後に炭鉱労働組合幹部となる一炭鉱夫の青年期の記録として資料的な価値が高い。1948-1951年の日記について、先行研究の炭鉱版となるように日記の解読を進め、資料として出版可能な形にした。同時に、敗戦後の炭鉱における労働と生活、公民館運動と青年社会教育、映画・演劇のかかわりからみる笠嶋氏の労働組合運動、1950年前後の政治史と炭鉱労働組合というテーマに関して、解説の作成を行った。 渦中にいた当事者の目線から当時の出来事を捉えていく中で、日本の労働運動のもうひとつの可能性をうかがうことができるかどうか考察を進めていく。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
戦後社会を支えた庶民の日記は、継続的に記述されていれば一次資料として価値が高いことは、歴史学・農村社会学分野でも明らかとなっている。歴史学分野で名高い『西山光一日記: 1925-1950年新潟県一小作農の記録』(西田・久保1991)『西山光一戦後日記:1951-1975年新潟県一農民の軌跡』(西田・久保1998)、最近では日本社会学会会長を務めた細谷昂氏が庄内地方の農民・阿部太一の日記に注釈をつけた『小作農民の歴史社会学』(細谷2019)等がある。本研究では、1948-1951年の日記について、これらの先行研究の炭鉱版となるように日記の解読を進めた。
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