研究課題/領域番号 |
20K02086
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分08010:社会学関連
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研究機関 | 川崎医科大学 |
研究代表者 |
三浦 雅布 川崎医科大学, 医学部, 准教授 (80616235)
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研究分担者 |
谷口 香 岡山大学, 医歯薬学総合研究科, 助教 (40599784)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2021年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2020年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
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キーワード | 認知症 / 屋外での外因死 / 法医剖検情報 / 法医解剖 / 外因死 / 異状死体 |
研究開始時の研究の概要 |
近年増加の一途をたどる、認知症により行方不明となる高齢者数のなかで、死亡という結果となった事例に対して詳細に調査されたものは少なく、行方不明となった後いつの時点で死亡したのか、どのような場所で死亡したのか、といった具体的な情報については不足している。 本研究では、あらゆる医学分野の中で、認知症に伴う行方不明者の死亡事例を唯一全例集積できる分野である法医学の立場から、法医剖検情報及び警察における異状死体の検視記録を基にしてこれら死亡事例を調査しその実態を明らかとする。その上で行方不明者の死亡リスクを明らかにし、これを予防するための提言を社会に向けて行うことが目的である。
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研究成果の概要 |
法医学の剖検情報を基に、認知症患者が屋外で外因死する際の実態を記述疫学的に調査した。2008年から2017年までの10年間に岡山大学で法医解剖された全2,142件の内、病歴として認知症またはその疑いがあり外因死していた事例は141例あり、このうち屋外での死亡は77例であった。死亡場所で最も多かったのは水域(自然水域や用水など)で52例あり、その他道路が10例、山林が8例であった。死因は溺死が最多で44例、損傷死15例、凍死9例であった。全体の62.3%にあたる48例が、自宅から1㎞以内で死亡していた。認知症患者が屋外で外因死する場合、自宅近くの水域で多く死亡している実態が明らかとなった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
認知症患者が屋外での外因死のリスクについては、本邦における報告は極めて少ない。これについては、国土事情や交通事情などが異なる海外における報告をそのまま適用することは適切でないと考えられ、本邦独自の調査が求めらている。本研究成果により屋外における認知症患者の死亡リスクがどこにあるのかを明らかにすることができた。こういった情報の積み重ねにより、高齢化をむかえた本邦において、高齢者がより安全に生活するために行政等がどのようなポイントに気を配るべきかを明らかにすることができると期待される。
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