研究課題/領域番号 |
20K02087
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分08010:社会学関連
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研究機関 | 埼玉県立大学 |
研究代表者 |
中村 裕美 埼玉県立大学, 保健医療福祉学部, 教授 (20444937)
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研究分担者 |
森山 葉子 国立保健医療科学院, その他部局等, 上席主任研究官 (10642457)
白岩 健 国立保健医療科学院, その他部局等, 上席主任研究官 (20583090)
森川 美絵 津田塾大学, 総合政策学部, 教授 (40325999)
京極 真 吉備国際大学, 保健医療福祉学部, 教授 (50541611)
中谷 直樹 東北大学, 東北メディカル・メガバンク機構, 教授 (60422094)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | 在宅生活 / 高齢者 / 社会的ケア関連QOL尺度 / 要支援 / 介護保険 / 社会的関連QOL尺度 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では,地域在住高齢者を対象に、社会的ケア利用と生活の質の関係を、私たちが開発してきた「社会的ケア関連QOL尺度」日本語版を用いて、前向きコホート研究で観察する。本研究では、生活支援サービスが総合事業へと移行となった要支援の地域在住高齢者に注目する。当該の尺度が、サービスの変更による生活の質をどう反映するかを、実証的に示し、当該尺度の本邦での社会ケア利用者への適用を明らかにする。
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研究実績の概要 |
2022(令和4)年度には、2つのプロジェクトを遂行してきた。1つ目は、社会的ケア関連QoL尺度イラスト版(The Adult Social care related Outcomes Toolkit-Easy Read version)日本語版の構築であった。この版は、文字情報のみの質問紙という手段で調査することに限界がある認知や言語表出に問題を抱える人々を、評価の主体に組み込む仕組みである。このイラスト版を、日本人の審美眼に叶うようにイラストレーターを雇用し、オリジナルのイラスをと起こした。2021(令和3)年度に構築した研究チームとしてのイラストを用いて、質的研究で多用される理論的サンプリングによって選出された認知や言語表出における問題を理由に社会的ケアを利用する10名に、尺度開発の国際的指針に則り、コグニティブディブリーフィングを実施した。このコグニティブディブリーフィングは、対象者に「質問の意図とイラストが合致しているか」「合致していないとすると何が問題であると思うか」「どのように改変したら質問の意図と合致するイラストとなるか」を個別面談により豊な情報を得る手法である。対象者からの回答をもとに、原版開発者らと協議して、より日本人の審美眼に叶うイラストへと改編が繰り返された。 2つ目のプロジェクトは、介護保険を利用しつつ在宅生活を営む人と、その家族介護者100組を対象とした、前向きコホート研究である。これまでに我々が開発してきた日本語版ASCOTの質問紙(在宅要介護者版と家族介護者版)を用いて、ベースライン90ペアのデータ取得を行った。上記質問紙セットと合わせて、客観的指標として、握力、活動量(1週間連続歩数)、認認知機能(MMSE)、日常生活自立度(FIM)も測定してきた。これらの人々には、引き続き6カ月、12か月時点のデータ取得も進めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
COVID影響により、様々な制約が生じている。1つ目のプロジェクトについては、会議をオンライン開催のみとしていたために、対面で実施するよりも多くの時間を都合する必要が乗じた。2つ目のプロジェクトでは、対象者が健康上の懸念から研究者の訪問を歓迎しない様相が観察されたことに加えて、対象者の健康状態の悪化から、入院や施設入所となる者が少なからず出現した。
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今後の研究の推進方策 |
1つ目のプロジェクトについては、レイアウトの微調整を行う段階まで推進しているために、2023(令和5)年6月を目途に完成版となる見通しである。この版の信頼性妥当性検証試験として、認知や言語表出への問題を理由に社会的ケアを利用する人々200名からデータを取得する予定である。潜在的対象者が在籍する社会的ケア提供事業所の責任者と、研究実施の合意を形成している。この200名のデータを解析し、上記の10名を対象としたコグニティブディブリーフィングの知見を合わせて、構築したイラスト版日本語版ASCOTの開発プロセスと信頼性妥当性検証を論じた論文を構築する予定である。 2つ目のプロジェクトについては、現在推進中のデータ取得をさらに進めていく。なお、入院や施設入所によって在宅生活が中断された対象者もいるために、ベースラインでの参加被験者のうち10名程度は脱落する見通しである。したがってこれら10名を追加で選出しデータ取得を行っていく。
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