研究課題/領域番号 |
20K02095
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分08010:社会学関連
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
浜本 篤史 早稲田大学, 社会科学総合学術院, 教授 (80457928)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 立ち退き / 土地収用 / 補償 / 生活再建 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、ダム事業にともなう社会的影響に関するデータを収集し、その全体像を把握・分析することを目的とする。具体的には、戦後日本で竣工した371ダムを対象に立ち退き移転者数や土地収用の有無、地域活性化支援の総額など一次的データを整理する。これを通じて、日本において公共事業にともなって生じる犠牲に対する政策パッケージがいかなるものか、その特質を明らかにしたい。
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研究実績の概要 |
本研究は、ダム事業にともなう社会的影響に関するデータを収集し、その全体像を把握・分析することを目的としている。これを通じて、日本において公共事業にともなって生じる犠牲に対する政策パッケージがいかなるものか、その特質を明らかにすることを企図するものである。 2023年度はまず、前年度までの成果として、主に庄川流域を対象とする水力発電事業について大正期から高度成長期の地域補償の時代的変遷を分析した論文を刊行した。 また、水源基金が設置されている流域でこれまでデータ収集が手薄だった吉井川、ダム周辺地域活性化という政策課題でよく取り上げられる三春ダム、宮ヶ瀬ダム、日吉ダム、釜房ダム、七ヶ宿ダムなどを事例対象とする現地調査を実施した。後者のうち、三春ダム、宮ヶ瀬ダム、日吉は以前に実施した調査データと照らしてその経年変化を確認できたが、近年ではアウトドアメーカーがキャンプ場運営などで水源地域活性化の主体としての役割を担っている新たな動向を把握することができた(この成果の一部は、日本河川協会の機関誌において、ダム立地地域における住民の存在と補償交渉過程の可視化や記憶継承に関する論稿として発表した)。さらに、是非論をめぐって複雑化・混迷化している事例として九州の石木ダムおよび川辺川ダムの事業動向をフォローしつつ、事業対象住民への対応がどのような形式をとるのか把握につとめた。 以上、全体として2023年度は、現地調査に基づくデータ補完を進捗させることができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
過年度において新型コロナウィルス感染症拡大の影響を受けたため。
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今後の研究の推進方策 |
これまでの調査研究において、研究目的を達するために必要なデータをすべて網羅できたとはいえないが、一定の範囲でのとりまとめが可能な段階には到達したので、2024年度は当初計画に沿ったアウトプットを目指したい。
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