• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 前のページに戻る

ニュース情報に対する事実/虚偽の誤認知を系統的に引き起こす要因に関する実証的研究

研究課題

研究課題/領域番号 20K02096
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分08010:社会学関連
研究機関東洋大学

研究代表者

小笠原 盛浩  東洋大学, 社会学部, 教授 (00511958)

研究分担者 山口 浩  駒澤大学, グローバル・メディア・スタディーズ学部, 教授 (70433761)
研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
キーワード偽情報 / 誤情報 / ニュースレパートリー / ソーシャルメディア / フェイクニュース / 虚偽情報 / 誤認知 / 利用と満足 / 政治関心 / 政治参加 / 消費行動 / ニュース / 受け手 / 口コミ
研究開始時の研究の概要

本研究は、ニュースの受け手がニュース情報を事実/虚偽と認知するプロセスにおいて、系統的な誤認知を引き起こす要因とその程度を定量的に明らかにするものである。①フェイクニュース研究、利用と満足研究、口コミ研究等の関連研究分野からニュース情報の事実/虚偽認知に関連すると考えられる要因を抽出し、②オンライン心理実験によって被験者の条件を統制して各要因の事実/虚偽認知への効果の有無を検証し、③政治関連ニュース情報と消費関連ニュース情報それぞれの事実/虚偽認知に対してオンラインアンケート調査を実施し、ニュース情報の系統的な誤認知の実態を把握し、有効な対処策を提案する。

研究実績の概要

2022年参議院議員選挙調査で収集したデータを分析し、以下の知見を得た。
①人々の日常的なニュース情報源利用パターン(ニュースレパートリー)が5つのグループ(ニュースのハイパーコンシューマー、伝統主義者、オンラインニュース追及者、ソーシャルメディアニュース利用者、ニュースミニマリスト)に大別することができた。
②①で析出されたニュースレパートリー5類型の特徴は、欧米の先行研究で指摘されている類型と共通しており、同類型は相当程度頑健であると考えられる。
③特定のニュースレパートリーグループに属していることが偽情報への接触、識別、拡散行動と有意に関連していた。具体的には、ソーシャルメディア利用頻度が高いグループに属している人は偽情報への接触が多く、伝統的マスメディアの利用頻度が高い伝統主義者は偽情報を拡散しやすい傾向があった。これらの結果から、偽情報への接触回数は単純に確率の問題であり、マスメディアにニュース情報源を依存することは偽情報への対処能力を低減させている可能性があるとも考えられる。
以上の知見について、米国の研究機関Pacific Forumのオンライン雑誌で英語論文を発表するとともに、ITSの国際学会大会(ITS Asia-Pacific 2023 in Bangkok)で学会発表を行い、他国の偽情報研究者等からフィードバックを得ることができた。これらフィードバック等は、2024年度の研究活動で、ニュースレパートリーと偽情報との関連について国際比較データ等のさらなるデータ収集・データ分析に活かす予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

新型コロナ感染症の拡大が政治はもちろん商品・サービスの消費行動を含めた人々の生活の大半に深刻な影響を与えたため、当初計画で予定していた、政治的偽情報に対する認知・行動と、商品・サービス関連の偽情報に対する認知・行動を比較分析し、それぞれの特徴を見出すことが困難となった。
そこで本研究プロジェクトでは、政治的偽情報に対する認知・行動についてさらにデータを収集するため、2023年度内に衆議院議員選挙調査を実施することを計画していたが、政局の変化によって一時は可能性が高いとみられていた衆議院議員の解散・総選挙が見送られ、調査を実施できなくなったため。

今後の研究の推進方策

2024年度も9月の自民党総裁選の結果次第では衆議院議員解散・総選挙の可能性が多いにあるため、衆議院議員選挙が実施された場合はオンラインパネル調査を実施し、ニュースレパートリー、偽情報への接触・識別・拡散行動、ニュースリテラシー等に関連したデータを収集することを計画している。
これによって2021年衆院選、2022年参院選、2024年衆院選の3波のパネルデータを収集することが可能となり、ニュースレパートリーと偽情報の接触・識別・拡散行動との関連について時系列で分析を行い、因果関係を指摘することが可能になる。
2024年は米国大統領選挙実施年であるため、米国の研究者(ジョージタウン大学・オーエン教授)をカウンターパートとして、調査の設問を一部共通化し、日米比較分析を行う計画である。
2024年度内に衆議院解散・総選挙が行われる可能性が低い場合は、平時における人々のニュースレパートリーと偽情報との関連を調査し、日米比較分析を行うこととする。
加えて、2023年度までに収集したデータをさらに分析し、知見を国際学会等で発表することとする。

報告書

(4件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実施状況報告書
  • 2021 実施状況報告書
  • 2020 実施状況報告書
  • 研究成果

    (5件)

すべて 2023 2022 2020

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (3件) (うち国際学会 2件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] THE RELATIONSHIP BETWEEN NEWS REPERTOIRE AND EXPOSURE TO, DISCERNMENT OF, AND DISSEMINATION OF DISINFORMATION: AN ANALYSIS OF THE 2022 JAPANESE UPPER HOUSE ELECTION2023

    • 著者名/発表者名
      Morihiro Ogasahara
    • 雑誌名

      ISSUES & INSIGHTS

      巻: 23(8) ページ: 3-15

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] Does media credibility increase resistance to disinformation? News repertoire approach to disinformation in the 2022 House of Councilors election2023

    • 著者名/発表者名
      Morihiro Ogasahara
    • 学会等名
      International Telecommunications Society
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 国際学会
  • [学会発表] ニュースレパートリーと偽情報・誤情報関連行動-2022年参院選調査データの分析から2022

    • 著者名/発表者名
      小笠原盛浩
    • 学会等名
      情報通信学会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [学会発表] Public Perceptions of “Fake News” in the United States and Japan.2020

    • 著者名/発表者名
      Owen, D., Ogasahara, M. and Kiyohara, S.
    • 学会等名
      2020 APSA Annual Meeting: Democracy, Difference, and Destabilization.
    • 関連する報告書
      2020 実施状況報告書
    • 国際学会
  • [図書] セカンドオフラインの世界: 多重化する時間と場所2022

    • 著者名/発表者名
      小笠原盛浩、富田英典(編著)
    • 総ページ数
      383
    • 出版者
      恒星社厚生閣
    • ISBN
      9784769916789
    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書

URL: 

公開日: 2020-04-28   更新日: 2024-12-25  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi