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グローバル文化戦略としての「食」: 「ニッケイ料理」をめぐる階層の力学

研究課題

研究課題/領域番号 20K02102
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分08010:社会学関連
研究機関一橋大学 (2023)
立命館大学 (2020-2022)

研究代表者

竹中 歩  一橋大学, 大学院社会学研究科, 教授 (60564680)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
キーワード食文化 / 移民 / アイデンティティー / ペルー / アメリカ / 日系人 / 美食外交 / 移民研究 / 食文化の歴史 / 食の政治 / 国民料理 / 社会階層 / 文化政策
研究開始時の研究の概要

食が形成される過程は、社会階層の生産・再生産にどう関与するのか。本研究では、世界のグルメ界で脚光を浴びるようになった「ニッケイ料理」を切り口に、食が新たに創出される過程とその背後にある力学をローカル・ナショナル・グローバルの三つのレベルで分析する。なぜ、いつ、どこで、どのようにして、ある種の食が生まれるのか。この問いを探るため、「ニッケイ料理」が形成・推進され、消費される場である世界の食の祭典や各国に広がるニッケイレストラン、官庁・食文化団体の活動などを中心に、そこに関わる多様なアクターの相互作用と利害関係を解明する。

研究実績の概要

2023年度は、ようやく海外調査に出ることができ、7月から8月にかけてペルー(リマ市)とアメリカ(ロサンゼルス)にて断続的に下記調査を行った。
リマでは、日系移住資料館やペルー国立図書館などを訪問し、日系人の食文化や食ビジネスの変遷に関する資料の収集を行なった。また、日系人が経営する老舗のレストランやカフェを訪問し、シェフやオーナーに聞き取りをした。料理学校や料理教室も視察し、日系料理や和食が現地でどのように伝授されているかを調べた。その他にも、ペルーで食を推し進めるペルー政府関係者や日系団体のリーダー、JETROなどの日本の関係者を対象にインタビューすることで、さまざまな視点から「ニッケイ料理」のあり方を学ぶことができた。
アメリカでは、日系文化協会の協力を得て、シェフや食文化の専門家との座談会を開催し、夕食会などを通して、ニッケイ料理に関する理解を深めることができた。同時に、数軒のニッケイレストランを訪問し、メニューや客層を調べ、日系団体や組織が発行した日系アメリカ人のレシピ集を収集した。更に、日系アメリカ博物館を訪問したが、あいにく、地元の料理関係資料が多く集まるとされる資料室は閉鎖中であった。そこでの調査は今後の課題としたい。
こうした調査をもとに、いくつかの学会で研究報告を行なった。ペルーでのシンポジウムでスペイン語で報告した他に、東京で開かれたAJJ Anthropology of Japanの年次総会(英語)と日本和食文化学会(日本語)で途中経過を報告した。その他、日系コミュニティー新聞のインタビュー記事、書籍のコラム「美食外交とニッケイ料理」、英語でのブログ記事「レシピを通して見るアメリカでのニッケイ料理の変遷」を執筆し、近年刊行される予定である。今後は、これらを元に、学術論文をまとめたいと考えている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

当初、海外調査を中心に始める予定だった本調査は、コロナ禍で延期せざるを得なくなった。そのため、リマとロサンゼルスで現地のアシスタントを雇い、遠隔調査を開始したが、研究計画を変更したため、遅れをとることとなった。当初は遠隔で資料や調査対象者を探すことにかなりの時間がかかってしまったが、今では、2023年度の海外調査を通して、アシスタントや調査対象者に直接会うことができ、かなりの資料が集まったため、その遅れを取り戻しつつある。現在は、収集した資料の整理と分析の検討を行なっている。

今後の研究の推進方策

2024年度は、再度アメリカ(ロサンゼルス)で海外調査を実施したいと考えている。主に、日系博物館の資料室で資料を収集するほか、2023年度出会った日系人の方々を対象にフォローアップ調査を行う予定である。これまで収集してきた資料を整理した後、再度、詳細の聞き取りをすることで、分析や執筆の進捗を図ることができると期待できる。
2024年度も引き続き、学会などで中間発表を行っていくが、9月にはシンガポールでのシンポジウムに参加する予定である。こうした活動を通して、2024年度は、学術論文を仕上げることに注力する。

報告書

(4件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実施状況報告書
  • 2021 実施状況報告書
  • 2020 実施状況報告書
  • 研究成果

    (4件)

すべて 2024 2023 2022 2021

すべて 学会発表 (4件) (うち国際学会 1件、 招待講演 1件)

  • [学会発表] 「ニッケイ料理」の台頭と美食外交2024

    • 著者名/発表者名
      竹中歩
    • 学会等名
      和食文化学会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] How Nikkei Food Emerged in Peru: Immigrant Narratives and Culinary Identities2023

    • 著者名/発表者名
      Ayumi Takenaka
    • 学会等名
      Anthropology of Japan in Japan 2023年年次大会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] El papel de la diaspora en el comercio de algodon entre Peru y Japon2022

    • 著者名/発表者名
      Ayumi Takenaka
    • 学会等名
      San Marcos University
    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
    • 招待講演
  • [学会発表] How Nikkei Food Emerged: A Culinary History of Japanese Immigrants in Peru and the US2021

    • 著者名/発表者名
      Ayumi Takenaka
    • 学会等名
      Oral History Association Annual Meetings
    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
    • 国際学会

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公開日: 2020-04-28   更新日: 2024-12-25  

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