研究課題/領域番号 |
20K02106
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分08010:社会学関連
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研究機関 | 天理大学 |
研究代表者 |
魯 ゼウォン 天理大学, 国際学部, 教授 (30303572)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 朝鮮通信使 / 地域づくり / 日韓交流 / 在日コリアン / 民団 / 民団の存続可能性 / 京都民団 / 定住 / 共生関係 / 過疎地域 / 再現行列 / 地域活性化 / 地域参加 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の概要は、朝鮮通信使行列再現を積極的に展開している4つの民団組織に着目し、それを通じて、朝鮮通信使の行列再現を支える多様な主体が連携しあう過程を明確にしたうえで、在日コリアンによる地域参加の比較研究を行うことである。また、朝鮮通信使を通じた韓国との関わりを検証し、日韓関係のありようを明確にする。その際、釜山市の外郭団体である「釜山文化財団」「朝鮮通信使歴史館」と日本の「縁地連」組織、九州圏と釜山との人的ネットワークについても明らかにしていく。
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研究実績の概要 |
2023年度は、静岡市における朝鮮通信使の現況を重点的に調査研究を行った。事例として、1990年代以降の静岡市をめぐる朝鮮通信使をとりあげる。本調査のポイントは在日コリアンとの交流ならびに韓国との交流と絡みながら、歴史文化をいかしたまちづくりの資源へ展開する過程を描く点にある。その際、朝鮮通信使によってもたらされた重層的な変化の結果、静岡市のローカルかつグローバルな文脈の都市間交流を通じた、地域活性化の可能性の提起を試みた。 具体的な調査として、まず静岡市と朝鮮通信使ネットワーク会が協働で主催する「朝鮮通信使しぞーか講座」の参与観察を行った。静岡市の市民団体と民団静岡が市民向けのイベントである朝鮮通信使アニメ上映ならびに韓流文化体験に参加し、静岡市民の受け入れを観察した。そして、2024年2月開催の清水区興津地区の「寒ざくらまつり」に出向き、地域祭りでの朝鮮通信使の紹介イベントに参加し、アクターの活動を分析することができた。そして、朝鮮通信使に協働する民団静岡の現状についての調査も行った。民団静岡の婦人会が朝鮮通信使活動に関わった。民団婦人会は朝鮮通信使活動を対外活動に位置づけ、2001年からの朝鮮通信使行列の参加、韓国物産展の出店、韓国の食文化紹介を行ってきた。 以上の静岡市と清水区興津地区における朝鮮通信使イベント調査、在日コリアンの協働関係を通じて、朝鮮通信使という歴史文化資源がまちづくりにいかに有効であるのかを明確にした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
静岡市の行政、市民団体、民団静岡、清水区興津地区の自治会、朝鮮通信使ネットワーク会との実態調査が順調に行われた。静岡のアクターへの聞取り調査はほぼ終了し、計画とおり調査が行われた。
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今後の研究の推進方策 |
静岡の朝鮮通信使研究は、多くの情報提供者の人脈を辿って、順調に進展している。2023年度の研究は静岡市調査に焦点におき、ほぼ終了した。静岡市の多様なアクターとの信頼関係を築き、それをもとに次の静岡県の朝鮮通信使調査に取り掛かることができる。
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