研究課題/領域番号 |
20K02110
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分08010:社会学関連
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
小林 大祐 金沢大学, 人文学系, 教授 (40374871)
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研究分担者 |
前田 忠彦 統計数理研究所, データ科学研究系, 准教授 (10247257)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 調査員効果 / 社会的望ましさバイアス / 日本人の国民性調査 / モード効果 / センシティブな質問 / 調査方法論 / 調査票調査 |
研究開始時の研究の概要 |
本課題研究では、その目的を達成するために、調査員の存在やその特徴によって影響を受けやすいとされるセンシティブな項目への回答に焦点を当て、より適切なデータセットによってアプローチする。具体的には①投票行動についての質問への回答に対する調査員の影響を、調査員データを紐付け可能、かつ同時に自記式モードでも実査を行っている全国規模の無作為標本調査データによって検証すること、そして②ジェンダーについて質問への回答に対する調査員の影響について、自記式調査を実施し、他記式で実施された全国規模の無作為社会調査データと比較する。
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研究実績の概要 |
2022年度は,これまでの研究成果として,2022年11月12日に日本社会学会第95回大会において,小林 大祐・前田 忠彦の連名報告「発表標題個別面接調査における調査員の観察可能な属性が回答に与える影響:自記式調査との比較による検討」を行った。この報告においては,2021年度の学会報告と同様に,自記式モードと他記式モードを併用した調査データである,統計数理研究所が2012年に実施した「国民性に関する意識動向2012年度調査」を用いて,調査員が「男性」,調査員が「女性」,調査員が「いない」という3パターンの比較から,調査員の影響がない場合を基準とするという独自のアプローチによって,調査員の性別の影響を解釈を試みている。ただ,2021年度の報告では,意識変数に対する調査員の性別の主効果と回答者の性別との交互作用効果という3変数の分析に留まっていたため,2022年度は他の変数をコントロールしても,この傾向が保持されるかについて多変量解析によって検討した。その結果,調査員および回答者の他の基本属性変数を考慮しても,男性調査員と男性回答者の組み合わせにおいて,例えば「近所とのつきあいの程度」をより高頻度に回答する等,調査員の性別と回答者の性別の交互作用効果を確認することができた。これらの分析結果からは,必ずしも調査員の属性と関連しないような内容の質問であっても,「目に見える調査員の特徴」が回答に影響を与えている可能性が示唆される。本学会報告では様々な有益なコメントが得られたので,それらを踏まえて論文の執筆を始めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本研究課題においては,現在分析を行っている,「国民性に関する意識動向2012年度調査」以外にも,「国民性調査」の第13次,第14次データについて,調査員情報を付加したデータセットを整備し分析を行うことになっていたが,コロナ禍などの影響もありデータの整備に時間が掛かり,これらのデータセットの分析に取りかかれていない。すでにデータ分析が可能な「国民性に関する意識動向2012年度調査」からは有益な分析結果が得られており,研究目的の達成において支障をきたしているわけではないが,それでも研究計画からは「やや遅れている」と評価するのが妥当だと考えられる。
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今後の研究の推進方策 |
2023年度は「現在までの進捗状況」でも述べた,「国民性調査」の第13次,第14次データについて,調査員情報を付加したデータセットを整備し分析を行っていくことで,すでに得られている傾向の確認を行う。その上で,得られた研究成果を学会発表や論文としてまとめていく。
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