研究課題/領域番号 |
20K02114
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分08010:社会学関連
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研究機関 | 大阪公立大学 (2022) 大阪市立大学 (2020-2021) |
研究代表者 |
松木 洋人 大阪公立大学, 大学院生活科学研究科, 教授 (70434339)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
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キーワード | 家族社会学 / ロマンティック・ラブ・イデオロギー / 結婚 / 恋愛 / 家族 / 不倫 / 浮気 / 言説分析 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、日本社会における既婚者の婚外性愛に関する言説の歴史社会学的な研究である。より具体的には、婚外性愛の当事者の体験談において、愛と性と結婚という3つの要素がどのように結合したり分離したりしているのかに注目しながら、既婚者が婚外で性愛を伴う関係を持つことが、どのような論理を通じて、いかなる意味を与えられてきたのかを明らかにすることによって、日本社会における近代家族の変容に新たな光を当てようとするものである。
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研究成果の概要 |
本研究は、日本社会における有配偶者の婚外性愛に関する言説の社会学的な研究である。2010年代に雑誌に掲載された婚外性愛についての記事を収集するとともに、結婚生活における愛情のありかたについて有配偶者に対するインタビュー調査を実施した。また、収集済みの資料の分析にもとづく査読付きの研究ノートを学会誌に発表して、配偶者がいるにもかかわらずそれ以外の者と性愛を伴う関係をもっているという相談・回答が新聞紙上でどのようになされるのかを検討して、結婚と性愛を結びつける規範からの逸脱である自分の婚外での性愛についての相談とその回答の理解可能性が当の規範によって支えられていることを明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
婚外性愛は日本の家族の変化や現在地について考えるうえで非常に重要な研究テーマである。これまでの社会学研究においては、従来の日本の結婚では特に男性の婚外性愛が問題化されにくかったという議論や近年になって結婚と性愛が切り離されるようになりつつあるといった議論が提起され、そこに日本の家族の特徴や変化が読み込まれていた。しかし、本研究は人々が結婚と性愛を結びつける論理の実際の使用に目を向けることによって、これらの議論の精緻化を図ろうとするものである。このことは日本の家族の特徴や変化をより精緻に理解することにもつながりうるという意味で一定の学術的・社会的意義を有している。
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