研究課題
基盤研究(C)
本研究のテーマは「島嶼社会の自治をめぐる社会学的検討:架橋と帰属の社会史」である。沖縄県の3つの島を調査対象として「領域や資源の有限性に自覚的な島嶼社会は、いかにみずからの社会が有するリスクに適応し、自治(autonomy)を展開してきたのか」という問いを掲げる。注目するのは、自然的/社会的資源に限りのある島嶼社会が、より大きな島に架橋されたり、制度的に包摂されたりすることにより、島の自治がどう変貌し、困難化するのかということである。具体的には、2つの小さな島(古宇利島、屋我地島)については架橋前後の時期を、そしてもう1つの大きな島(沖縄本島)については帰属する国家の変転期に注目する。