研究課題/領域番号 |
20K02157
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分08010:社会学関連
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研究機関 | 成城大学 (2021-2023) 長崎大学 (2020) |
研究代表者 |
保坂 稔 成城大学, 社会イノベーション学部, 教授 (80448498)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 価値的保守 / 価値創造 / 持続可能性 / 再生可能エネルギー / フェアアイン |
研究開始時の研究の概要 |
再生可能エネルギーが村に富をもたらすことは、ドイツでは「価値創造」として概念化されており、地方創生の手段として定着している。日本でも地方創生が試みられているが、過疎化により持続性が問題となっている。その一方で、フェアアイン(クラブ)に基づいた結束を誇る語りが聞かれるドイツのバイオエネルギー村では、過疎化といった問題はほとんど聞かれない。本研究では、ドイツにおけるインタビューを踏まえ、持続的な地方創生の方法を明らかにする。
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研究実績の概要 |
2021年度から2022年度までは、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響から、国内外でのフィールドワークが実施できなかったが、2023年度にドイツでインタビュー調査を行うことができた。バイオエネルギー村6村の他に、地方行政機関環境部門、環境系シンクタンク、再生可能エネルギーコーディネート会社を訪問し、25人にインタビューを実施することができた。本研究で着目している「価値的保守」が、多くのバイオエネルギー村でキリスト教的な意味を持つ文化的理念となっていることに加え、再生可能エネルギー事業の関係者の多くも事業推進にあたって「価値的保守」に意義を認めていることを見出した。 インタビュー調査の結果、「価値的保守」といった文化的理念が、ドイツの再生可能エネルギー普及に幅広く貢献していることを見出すことができた。そして、ドイツのバイオエネルギー村では、ロシアによるウクライナ侵攻後も、再生可能エネルギー推進の立場が不変であることや、エネルギー価格高騰に伴って地域創生に貢献している状況を確認できた。社会的意義としては、再生可能エネルギー事業の地域創生への貢献の大きさから、特に初期に参入した自治体では、再生可能エネルギー事業が政策の中心になっていることを明らかにできた点にある。再生可能エネルギー普及のためには地方自治体の貢献が重要であり、市民の理解が求められるが、「価値的保守」はこの意味でもドイツの現状を理解する上で意義がある。
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