研究課題/領域番号 |
20K02159
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分08010:社会学関連
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研究機関 | 名古屋市立大学 |
研究代表者 |
林 浩一郎 名古屋市立大学, 大学院人間文化研究科, 准教授 (80736645)
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研究分担者 |
木田 勇輔 椙山女学園大学, 文化情報学部, 准教授 (70760734)
植田 剛史 愛知大学, 文学部, 准教授 (30709267)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | リニア開発主義 / 新自由主義/ケインズ主義 / リニア・インパクト / 名古屋駅 / リノベーション / 都市コミュニティ / 都市政治 / 都市空間 / 新自由主義 / コミュニティ |
研究開始時の研究の概要 |
リニア新幹線開通を契機として、経済成長を目指す政治経済システムとそのイデオロギーをリニア開発主義と呼ぶ。それは、ケインズ主義的開発主義か、新自由主義化された開発主義か、その混合か。1990~2020年代、名古屋駅周辺の再開発を駆動させる名古屋ローカルな体制は、開発を進めるナショナルな体制からどれほどの自律性をもつか。リニア開発主義は、名古屋駅周辺の地域にどのようなインパクトを及ぼすのかを検討する。
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研究実績の概要 |
本研究は、名古屋駅周辺における「リニア開発主義」の構造と主体を考察する社会学的研究である。「リニア開発主義」とは、2027年のリニア中央新幹線開通を契機として、経済成長を目指す政治経済システムとそのイデオロギーのことだ(林 2020a)。具体的には、(1)林(名古屋市立大学)が、名古屋駅西地区の都市コミュニティを、(2)木田(椙山女学園大学)が名古屋駅周辺の都市政治を、(3)植田(愛知大学)が都市空間を調査研究している。これらにより、名古屋の都市空間をダイナミックに変動させる新たな開発の論理を明らかにしている。 3年目の2022年度は、主に4点の成果があった。(1)地域社会学会年報第34号に、「リノベーションという空間の生産――名古屋駅裏におけるドヤの継承と革新」という論文が掲載された。また、日本都市社会学会大会第40回大会で「名古屋駅裏のまなざし――戦後闇市の創造的破壊」という報告した。この報告を基にした論文が、日本都市社会学会年報第41号に掲載される予定である(掲載決定)。 (2)日本都市社会学会年報第40号に「リニア開発主義の構造と主体Ⅱ――名古屋駅東地区における成長マシンの形成と空間の再編」という論文が掲載された。この論文の内容を発展させ、韓国地域社会学会で報告した。 (3)2023年2月に、名古屋市中村区と西区において「名古屋駅周辺のまちづくりに関する調査」という質問紙調査を実施した。住民基本台帳から、2区それぞれ約1,000人ずつを抽出し、郵送で調査票の配布と回収を行った。有効回収数は中村区が280、西区が327であり、年度内にデータクリーニングと入力を終えた。 (4)収集したドキュメント資料を基に、リニア開発および名古屋駅周辺の再開発にかかわる政策検討組織について整理したほか、これまでの調査結果全体を踏まえつつ本研究プロジェクト全体にかかる理論枠組みを検討した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナウィルスの感染流行により、インタビュー調査が困難な時期があった。
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今後の研究の推進方策 |
(1)名古屋駅西の都市コミュニティ調査:名古屋駅西地区のコミュニティ調査の成果を書籍として刊行する予定である。 (2)質問紙調査: 2023年5月を目標に、単純集計の結果を報告書としてオンラインで公開する予定である。また、データの分析を進め、その結果を学会などで報告する予定である。 (3)リニア開発にかかるエージェントの分析:引き続きドキュメント資料を基にリニア開発および名古屋駅周辺の再開発にかかわる団体・組織について整理を進めるとともに、そのなかのいくつかについてよりインテンシブな調査に着手する。
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