研究課題/領域番号 |
20K02162
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分08010:社会学関連
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研究機関 | 津田塾大学 (2021-2022) 作新学院大学 (2020) |
研究代表者 |
藤本 一男 津田塾大学, 数学・計算機科学研究所, 研究員 (40348090)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2022年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | カテゴリカル・データ / 対応分析(CA) / 探索的データ解析(EDA) / オンライン研究会 / 数量化手法 / 幾何学的データ解析(GDA) / 多重対応分析(MCA) / 対応分析 / 多重対応分析 / 幾何学的データ解析 / 探索的データ解析 / カテゴリカルデータ / 社会調査法 |
研究開始時の研究の概要 |
データの幾何学的配置を分析の基礎におく「幾何学的データ解析」という分析フレームワークを用いて、社会調査におけるカテゴリカルデ ータ分析の方法を構築する。その際、以下の問いにGDAを用いることで答えることを示す。 ・「取得したデータの構造を破壊しない分析は可能か」カテゴリカル・データを分析するためには、数量化が必要 となるが、どうすれば、データ構造を破壊せずに可能か。 ・「観察データに対して変数の連関性を評価することは可能か」実験が 可能な場合は、実験計画法として因果分析が可能である。だが、社会調査データでは、この前提は成立しない。この観察データに対して「効果」の評価を行なうことはいかに可能か。
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研究実績の概要 |
当初計画では最終年度であったが、コロナ状況のために海外の専門家を招聘してワークショップを実施するという計画が実現できず、一年間の期限延長を申請することになった。研究実績は、以下のとおりである。 1)対応分析研究会での発表を継続した(第13回から第17回)。検討文献としていた、Brigtte Le Roux& Henry Rounaet "Multiple Correspondence Analysis"(訳:大隅、小野、鳰『多重対応分析』オーム社)の全体をほぼ終了。全体にわたって、Rを用いて再分析を実現し内容を確認した。2)日本社会学会95回大会での報告を行い(研究法・調査法部会「幾何学的データ解析(GDA)の中で多重対応分析(MCA)と分散分析(ANOVA)の連携を見る」)、更に、この発表の内容を整理したものを、3)『津田塾大学紀要』55号に「『幾何学的データ解析(GDA)』では分散はどのように分解されるか」として執筆した。 また、国立情報通信研究機構(NICT)のサイバー・トレーニングセンターの招へい専門員として、同センター主催のセキュリティ・トレーニング・ワークショップ(CYDER)の受講者データ分析を多重対応分析と自由記述部分の機械学習を組み合わせて実施した。そこで構築した分析手法を、2023年3月の言語処理学会29回年次大会で報告した(「多重対応分析とアスペクトベース感情分析を組み合わせた受講者満足度調査データの分析手法の開発」)。この手法は、多重対応分析を用いることで量的調査と質的調査を「連携する」ことを、調査票調査の中での「質的」部分である自由記述回答と回答選択肢部分を一体のものとして分析する実例を示すことができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
コロナ禍のため、海外講師を招聘した対応分析セミナー、ワークショップの開催の目処がたてられない。検討していた講師の側の事情もさることながら、国内でそのようなセミナー、ワークショップを開催するための準備(実行委員会の組織化、会場の確保など)が時間的に不可能、というのが一番の理由である。 そのため、研究成果の還元の方法を再検討している。
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今後の研究の推進方策 |
当初計画に組み込んでいた、対応分析の専門家の海外からの招聘の目処がたてられないので、研究成果の国内還元の方法を変更する。 1)日本セキュリティマネジメント学会、ITリスク研究会でIT(セキュリティ)と統計学をテーマに講演。そこで、多変量解析の中での対応分析の特徴を解説する。(2023年7月) 2)東京大学社会科学研究所附属データアーカイブセンターの計量分析セミナーで対応分析をテーマにした講習を担当できることになったので、それに研究成果を公開する。(2023年9月)ここでの講習を軸に、報告書を構成する予定。 3)9月ドイツ、ボンで開催されるCARME2023(対応分析と関連技法に関する国際会議)で研究報告を行う。 4)日本社会学会での報告、津田塾大学紀要への執筆、対応分析研究会での報告、はこれまで通り継続する。 5)当初計画には含まれていなかったが、NICTでの研究環境に、機械学習の研究者が在籍するため、彼の協力を得ながら、調査票調査における多重対応分析と機械学習の連携の可能性を確認していく。
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