研究課題/領域番号 |
20K02186
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分08020:社会福祉学関連
|
研究機関 | 高知県立大学 (2023) 県立広島大学 (2020-2022) |
研究代表者 |
湯川 順子 高知県立大学, 社会福祉学部, 助教 (80709642)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
|
キーワード | エイジング・イン・プレイス / オランダ / インフォーマル・ケア / 多職種連携 / 地域 / 改革の評価 / 高齢者の視点 / エイジング・イン・プレイス政策 / 地域包括ケア / 高齢者 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、地域包括ケアシステムにおけるインフォーマル・ケアの組み込みの可能性について、オランダの実践から示唆を得ることを目的とする。オランダは、「住み慣れた地域で最期まで」を意味するエイジング・イン・プレイスを政策として展開している。文献研究及びオランダの基礎自治体の政策担当者やソーシャルワーカーなどへのインタビューを行い、インフォーマル・ケア(自助・互助)をシステムに組み込むための課題について分析する。
|
研究実績の概要 |
本研究の目的は、高齢者の中でも後期高齢者の割合が高くなる中で、高齢者が住み慣れた地域で最期まで暮らし続けるためのしくみにインフォーマル・ケアを組み込むための条件を明らかにしようとするものである。研究方法として、(エイジング・イン・プレイス政策(住み慣れた地域で最期までを理念とした政策)を先進的に進めているオランダの実践について、関係者にインタビュー調査を行う予定であった。具体的には、①基礎自治体の実践例、②長期ケアの必要な高齢者に対するインフォーマル・ケアの内容や量(時間)、③専門職の働きかけによる自助を強める取り組み(自分でできることを増やしたり維持する取り組み)の例である。 新型コロナウイルス感染症の影響でオランダ訪問ができず、研究が遅れていたが、2023年度に訪問し、主に①と③についてのインタビューを実施した。①については、アムステルダム市、ユトレヒト市の高齢者政策担当者にインタビューし関連資料を収集した。②については、現地で暮らす日本人高齢者の方数名と面会することができた。オランダで暮らす高齢者へのインタビューに向けて準備を進めているところである。③については、地域で暮らし続けるための総合的な相談窓口の設置や多職種連携による支援のしくみづくりが基礎自治体ごとに行われている。2023年度の訪問では、アムステルダム市、ユトレヒト市、ゴーダ市、ゼイスト市が委託している民間福祉組織のマネジャーや多職種チームのソーシャルワーカー地域看護師などにインタビューを行った。それぞれ、支援のもとになっている考え方やチームメンバーの編成、支援のメソッドなどについてインタビューした。研究成果の公表を準備中である。 また、2023年の訪問では、オランダでエイジング・イン・プレイス政策に関する研究を行っている研究者2名と面会しオランダ国内での研究状況について話を聞くことができた。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2020年の研究開始と同時に新型コロナウイルス感染症が世界的に蔓延したことにより、オランダを訪問して行う予定だったインタビュー調査を延期していた。3年間で3回の訪問予定を研究期間の延長をし、2023年度と2024年度の2回に変更した。
|
今後の研究の推進方策 |
新型コロナウイルス感染症の影響で研究が遅れていたが、2023年度にオランダの4大都市のうち、アムステルダム市とユトレヒト市、地方都市としてゴーダ市とゼイスト市を訪問した。地域の特性や都市の規模による取り組みの違いという視点から、政策担当者と対人援助専門職を対象としてインタビューを行った。そこで、オランダでは2015年の社会支援法の改正(Wmo2015)から10年の区切りを迎えようとしており、基礎自治体はこれまでの政策の総括や見直しを行う時期にあることがわかった。包括的支援体制のありかたとインフォーマル・ケアの組み込みの関連を中心に、基礎自治体ごとの制度の見直しの要点について現地での関係関係者へのインタビュー調査を実施したい。オランダは、日本と比較すると高齢化率は約10%ほど低いものの、85歳以上高齢者の多くは一人暮らしであり、都市部では住宅問題も深刻な中、政策的に進めてきたインフォーマル・ケアの活用の実態とその現状に対するオランダ国内の評価を知ることで、日本の地域包括ケア政策の今後への示唆が得られると考えている。また、高齢者を対象に、インフォーマルケア活用やフォーマル・ケアへの考え方などのインタビューを実施したいと考えている。
|