研究課題/領域番号 |
20K02191
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分08020:社会福祉学関連
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研究機関 | 開智国際大学 (2022) 帝京大学 (2020-2021) |
研究代表者 |
崎坂 香屋子 開智国際大学, 国際教養学部, 教授 (00376419)
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研究分担者 |
吉田 穂波 神奈川県立保健福祉大学, ヘルスイノベーション研究科, 教授 (20626113)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 東日本大震災 / 陸前高田市 / 災害関連死 / 被災者 / 社会的弱者 / 避難所 / 仮設住宅 / 復興格差 / 孤立 / ソーシャル・キャピタル / 健康 / 災害弱者 / 災害公営住宅 / 孤独死 / こころの健康 / 高齢者 / 避難生活 |
研究開始時の研究の概要 |
我が国では大規模災害が近年多発し、高齢者、乳幼児、障害者等の「災害弱者」の保護・救援は立ち遅れている。本研究は(1)東日本大震災からの10年間の被災者の生活環境、健康の経年変化を測定し、(2)「孤立」「閉じこもり」傾向の見られる「災害弱者」を対象とし、災害弱者救援のための個人及びコミュニティ単位の介入事業の比較と効果測定を行う、(3) 独居被災者を含む「災害弱者」を誰も取り残さない(No One Left Behind)ための復興コミュニティのあり方を体系化し、避難フェーズ別の復興に必要な外部支援パッケージを提示し、他の大規模被災地および全国に適用可能なモデル開発を行い、提言を行う。
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研究実績の概要 |
東日本大震災の発災後9―11年目の被災地及び被災者の健康及び生活環境の変容を検証する本研究は新型コロナ感染症の拡大と緊急事態宣言の発令により予定よりもフィールドベースのデータ収集は少なくなったが、被災3県在住の研究協力者の協力により調査は順調に進捗した。発災後10年で被災者の健康は加齢による身体の健康の悪化とともに家族の喪失にもよるこころの健康の悪化が顕著に見られた。日常的に「歩きにくくなった「やる気が起こらない」等の増加の一方で、外部介入では物資提供から茶話会のイベントへ、仮設住宅の最終段階では草刈りを軸とする環境改善支援が被災者から高い評価を得た。さらに被災3県のコミュニティを元気づけた「調理実習を中心とする料理教室」(味の素グループ、赤いエプロンプロジェクト)を独居高齢者・社会的弱者の孤立防止のコミュニティレベルの避難フェーズ別の効果的介入事業に位置付け効果測定を実施した。被災者とそれ以外の人々、地域との交流、「男の料理教室」では孤立しがちや高齢男性独居被災者の外出機会と栄養改善に日本独特の復興モデルとして卓越した効果を見せた。発災10年を超える被災者の心身の健康の変化と調理実習という日本独特の介入の成果を世界に発信し、書籍1冊、論文7本(英文3、和文4本)、国際学会発表4本の他、2021年には研究成果の書籍「仮設住宅その10年」(共著)は都市計画学会、日本不動産学会から2020年度の学会優秀賞として2つの賞を受賞した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
新型コロナ感染症の拡大による緊急事態宣言発令によりフィールドでのデータ収集、フィールドでのインタビュー、国際学会での発表が2020年から2021年にかけて約1年間、出張調査等ができず遅延した。しかし国際学会はオンラインのもので参加し、2022年からはフィールド調査も再開し英文論文も予定通り順調に発行された。コロナ禍による遅延により研究期間を1年延長することとした。
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今後の研究の推進方策 |
新型コロナ感染症拡大による緊急事態宣言発令中の2020年から2021年の約1年のフィールドでのデータ収集、聞き取り調査ができなかったために、研究期間を1年延長した。2022年初夏よりフィールドでのデータ収集、聞き取り調査を再開し、2022年分の収集データの分析、論文発表、学会発表は2023年中に行う。また2023年には再度聞き取り調査他データ収集を追加し、災害関連死分析や独居高齢被災者の追跡調査を追加する。
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