研究課題/領域番号 |
20K02203
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分08020:社会福祉学関連
|
研究機関 | 静岡県立大学 (2021-2022) 静岡県立大学短期大学部 (2020) |
研究代表者 |
天野 ゆかり 静岡県立大学, 経営情報学部, 講師 (60469484)
|
研究分担者 |
比留間 洋一 静岡大学, 国際連携推進機構, 特任准教授 (30388219)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
|
キーワード | アジア / 高齢者ケア / 介護人材育成 / ベトナム / タイ / 政策 / 中国 / 介護 / 外国人介護人材 / 人材育成 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、世界的に高齢化と介護人材のグローバル化が進展する中、国内外の関係機関等の調査を通し、アジア各国における高齢者ケアの特徴を明らかにし、アジアにおけるKAIGO学の意義と射程を明らかにすることを目的とする。 アジアの人々の生活や高齢者ケアに関する制度や実践について理解した上で、アジアの持続可能な人材育成について学術的に考察する。特に、アジアの中でも介護の専門資格化の創設や新たな教育体制を検討している、ベトナム、インドネシア、タイを中心に調査する。また、国内の介護人材や受入れ施設等の担当者にインタビューしながら、日本式介護(KAIGO)とアジアの介護の特性や方向性について考察する。
|
研究実績の概要 |
2022年度は、コロナに関する海外調査の規制が緩和され、ベトナム及びタイにて短期間ではあったが調査が可能となった。とりわけ、日本の法人が関与している高齢者ケアサービスにおいては、日本と現地の介護人材の交流や還流もふまえた取り組みがなされていた。少しずつではあるが、日本で培った介護サービスのノウハウを現地にローカライズさせながら、新たな取り組みとしてどのように浸透させようとしているのかその萌芽期の活動を確認することができた。 国内調査では、介護現場に直接赴くことはできなかったが、EPA、留学生、技能実習生、特定技能の在留資格で介護を学び、国家試験にチャレンジする人が増えてきたため、学習の取り組み状況やその課題、国や自治体の支援について調査した。 特に、ベトナムにおいては、もっとも多くの介護人材を送り出しており、EPAでの国家試験の合格率の高さ(毎年9割程度)から、高い期待が寄せられている。国家試験の合格率を高めるために、ベトナム語を用いた学習支援や、漢字由来のベトナム語(漢越語)を用いた学習が、国家試験の学習や介護の理解に効果があるとの仮説から、一連の取り組みを実施した。これらに関しては、学会発表のほか、論文による成果報告を実施した。 外国人介護人材に関連する政策的動向としては、業界団体や厚労省の事業に関与し、これらに関する調査や報告書のとりまとめ、政策提言に関与した。また、関連するセミナーに登壇し、今後の外国人介護人材の受入れ、定着、キャリア支援等に関するディスカッションを実施した。 アジアの高齢者施策については、コロナの影響もあってかあまり大きな変化はなかったが、ベトナムを中心に現地の政策に関する法令の読解や、セミナー、学会への参加を通して、最新情報を入手することができた。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
コロナによる国内外の調査の規制が少しずつ緩和されてきているが、介護現場で働く人やその現場での調査はまだ難しい部分がある。海外調査は、短期間でコンパクトな調査はできたが、全体的に人の移動や海外での事業展開が滞っているため、十分な調査やそれに関する成果発表ができなかった。
|
今後の研究の推進方策 |
今後は、国内を中心に外国人介護従事者及び経営者のインタビューを追加し、今までの研究成果のまとめとして、学会発表および論文投稿を行う。 また、国内の技能実習制度等の政策的な動きがあるため、このあたりの変化を捉え、外国人介護人材の動向や母国でのキャリア形成についてもとりまとめる。
|