研究課題/領域番号 |
20K02212
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分08020:社会福祉学関連
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研究機関 | 高知県立大学 |
研究代表者 |
西梅 幸治 高知県立大学, 社会福祉学部, 准教授 (00433392)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2022年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
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キーワード | 社会福祉関連 / ソーシャルワーク / エンパワメント / 支援ツール / ジェネラル・ソーシャルワーク / 社会福祉関係 |
研究開始時の研究の概要 |
わが国では、多様で複合的な生活課題を抱える利用者に対して、ソーシャルワーカーによる包括的で総合的な支援の必要性が高まっている。本研究では、このような現状に対応可能なエンパワメント志向のジェネラル・ソーシャルワークと呼称する利用者の力や主体性を重視した生活支援の方法の構築を目的とする。特に利用者とワーカーの協働による生活状況認識に基づく課題解決を目標に、ICT支援ツールを用いた実践展開を可能とする方法論を構築することが研究の焦点である。
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研究実績の概要 |
令和5年度の研究実績については、まず先行研究の整理・検討を継続して実施した。具体的には、①ソーシャルワークにおけるアセスメントの登場と進展を概観しながら、②エコシステム視座を基盤としたアセスメントの特徴、③エンパワメント実践への協働アセスメントなどに関して分析・考察を行い、協働アセスメントに関するスキーマを提示した。このスキーマについては、現象に対する思考や認知の枠組みのことであり,抽象度の高い理論や視座からなる理論的枠組み(theoretical framework)よりは具体的であり,実践場面でのアセスメント方法や技術・技法よりは抽象的であるが,それらの乖離を埋めながら理論に基づく実践を展開する際に活用できる指針であり枠組みとして提示した。それを具体化することにより、エンパワメント実践に向けた協働によるアセスメントに関して精緻化を図った。 支援ツールの開発については、支援ツールの基礎開発を行っているエコシステム研究会への継続的な参加により進めることができた。研究会への参加により、1.現行支援ツールの改善点、2.改善点をふまえた今後の開発課題の整理などを行った。加えて、これまでの研究成果をもとに、ジェネラル・ソーシャルワークの実践展開における支援ツールの活用について分析・考察を行った。具体的には、①ジェネラル・ソーシャルワークの概念特性、②エコシステム構想と支援ツール、③新支援ツールとしてのeスキャナー、④社会実装に向けた方法と課題に関して、支援ツールの具備する構造・機能・意味・過程の四特性に区分し、その側面から指摘した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
ソーシャルワーク方法論確立に向けて、社会福祉に関する制度・政策的動向を見据えながら、海外のソーシャルワークやエンパワメント、アセスメントに関する先行研究を含めて継続的に進めている。そのため、整理や分析に時間がかかっているが、今年度はその成果を公表することができた。調査については、昨年までの新型コロナ感染症流行に伴い、計画的な実施が困難であり、調査デザインや研究方法の改善に時間がかかっている。しかし支援ツール開発については、研究テーマに則して社会実装に向けた方法と課題を整理することができ、今後の調査計画の作成に基づき、検証に向けた準備を進めている。
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今後の研究の推進方策 |
今後の研究の推進方策については、引き続き文献をとおしてジェネラル・ソーシャルワークを中心に理論的側面から追究する。特に継続して、利用者とソーシャルワーカーとの協働アセスメントを通じて展開するエンパワメント実践過程ならびに、その実践過程(主に協働アセスメント局面)での技術・技法に関して理論的な整理を行う。そのうえで開発している支援ツールについて、協働アセスメントを展開する際の効果的な活用方法などを検討する。 加えて支援ツールの開発については、研究テーマの中心であるエンパワメント実践に関わる支援ツールの機能に関して、ツールに導入するための課題を整理し、継続的に開発を進めていく。またソーシャルワーカーによる協働アセスメント局面における支援ツールとその活用方法に関する有効性と課題について提示できるように検討する。そのなかでは、ICTを中心に情報科学に関連する専門的な知見をさらに摂取しながら、ICT生活支援ツールとしての特性を含め、抽出していく予定である。
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