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福祉国家と中間層の生活保障―ミクロデータによる実証研究

研究課題

研究課題/領域番号 20K02223
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分08020:社会福祉学関連
研究機関駒澤大学 (2021-2023)
関東学院大学 (2020)

研究代表者

田中 聡一郎  駒澤大学, 経済学部, 准教授 (40512570)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2023年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2022年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2021年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2020年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
キーワード福祉国家 / 中間層 / 所得格差 / 再分配 / 社会意識
研究開始時の研究の概要

近年、日本を含む多くの先進諸国では、所得分配の悪化が生じ、経済成長と政治的安定をもたらした中間層が衰退しているといわれる。そこで本研究では、基礎研究として「福祉国家の支持基盤としての中間層研究」(社会政策の政府責任に関する市民意識の解明)、政策研究として「中間層の生活保障と政策対応」(中間層の世帯に対する社会政策のあり方の検討)に取り組む。それらの分析を通じて、福祉国家への支持基盤としての中間層の再形成に資するエビデンスの提供を行う、政策的な問題意識をもった研究としたい。

研究実績の概要

本研究では、2010年代以降の国内外のミクロデータを用いながら、中間層と福祉国家に関する実証分析を行う。福祉国家への支持基盤の獲得や分厚い中間層の再形成のための政策立案に資するエビデンスを提供するような研究を実施することを研究目的としている。
2023年度の研究成果としては、日本の所得分配の動向に関する分析、また再分配政策の支持について検討を行った。前者の日本の所得格差については、総務省統計局『家計調査』の実質可処分所得(勤労者世帯)の公表データから検討した。2022年は低所得層での経常収入の大幅な上昇が観察されたが、中・高所得層では物価上昇によって実質の経常収入は減少していた。低所得層では雇用回復があったが、物価上昇に追いつけない中・高所得層という新たな傾向が生じていることが考えられる。なお、その研究成果は『コロナ禍の行財政』(地方自治総合研究所)において公刊した。
また再分配政策への支持については、先行研究から再分配政策への支持形成プロセスについて考察を行い、日本の特徴としては、所得格差への懸念や所得格差の縮小が政府の役割と考える人の割合はOECD平均を下回っていること、また「住宅の提供」を政府の役割とする考え方をもつ人々は3割程度と多くはないこと等をまとめた。また住宅手当の導入は、若年層や低年金者の生活保障、空き家問題への対応の観点から必要性が議論されるが、国民からの支持も不可欠であること等を整理した。それらの議論については、研究会(全労済協会)にて報告を行った。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

2023年度は、日本の所得分配の動向と再分配政策への支持に関する検討を行った。所得分配の動向については、特にコロナ禍からの家計の回復過程を分析した、論文「レジリエンスと家計所得」を『コロナ禍の行財政』(地方自治総合研究所)において公表した。再分配政策への支持については、OECDの報告書等の先行研究を参考に、日本の再分配政策への選好に関して検討を行い、全労済協会の研究会にて報告「日本の所得分配と政策」を行った。
しかしながら、上記の研究課題に取り組むなかで、中間層への再分配政策の効果について積み残した検討課題が生じてしまった。そのため翌年度まで期間延長をさせて頂き、研究成果の公表につなげたいと考えている。

今後の研究の推進方策

2024年度は、日本の中間層の長期的動向と再分配政策への支持について分析を行う。長期的推移についてはミクロデータのみならず、既存の公表統計から歴史的考察を行う。また、再分配支持については、継続してOECDおよびInternational Social Survey Programme等の統計から検討を行う。なお、分析を終えた論文は、学術誌への投稿などを随時行い成果の公表に努める。

報告書

(4件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実施状況報告書
  • 2021 実施状況報告書
  • 2020 実施状況報告書
  • 研究成果

    (11件)

すべて 2022 2021 2020 その他

すべて 雑誌論文 (4件) (うちオープンアクセス 1件) 図書 (1件) 備考 (6件)

  • [雑誌論文] 日本の資産分配 : OECDの国際比較から2022

    • 著者名/発表者名
      田中聡一郎
    • 雑誌名

      共済新報

      巻: 63 (11) ページ: 10-17

    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [雑誌論文] コロナ禍と所得格差:日本の動向と国際比較2022

    • 著者名/発表者名
      田中聡一郎
    • 雑誌名

      自治総研

      巻: 48(6) ページ: 35-46

    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] コロナ禍におけるセーフティネットの現状2021

    • 著者名/発表者名
      田中聡一郎
    • 雑誌名

      共済新報

      巻: 62(7) ページ: 4-12

    • NAID

      40022658745

    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
  • [雑誌論文] 現物給付の再分配効果-その推計方法と国際比較2020

    • 著者名/発表者名
      田中聡一郎
    • 雑誌名

      健康保険

      巻: 74(9) ページ: 14-19

    • 関連する報告書
      2020 実施状況報告書
  • [図書] コロナ禍で問われる社会政策と自治体 : 「住まい」の支援を中心に(担当箇所:田中聡一郎[報告①]コロナ禍と社会政策―現状と今後の課題)2022

    • 著者名/発表者名
      飛田博史編
    • 総ページ数
      104
    • 出版者
      公人の友社
    • ISBN
      4875558880
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [備考] 「レジリエンスと家計所得:コロナ禍からの回復状況」『コロナ禍の行財政』地方自治総合研究所

    • URL

      https://jichisoken.jp/publication/researchpaper-136/

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [備考] 全労済協会「脱分断社会と新しいつながりのかたち研究会(第4回)」( 2024年2月16日 報告)

    • URL

      https://www.zenrosaikyokai.or.jp/thinktank/research/each_research/worker10/

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [備考] 自治総研セミナー「コロナ禍で問われる 社会政策と自治体」2022年9月17日

    • URL

      http://jichisoken.jp/pdf/jichisokenseminer37_chirashi.pdf

    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [備考] 日本経済新聞「やさしい経済学:衰退する日本の中間層」(全9回:2023年3月9日~22日)

    • URL

      https://www.nikkei.com/persons/%E7%94%B0%E4%B8%AD%E8%81%A1%E4%B8%80%E9%83%8E

    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [備考] 日本経済新聞「経済教室:中間層復活へ住宅・教育支援 」(2021年11月17日)

    • URL

      https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCD092MG0Z01C21A1000000/

    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
  • [備考] 立教大学経済研究所第9回学術研究大会「コロナ禍の財政と社会保障」(2022年3月18日)

    • URL

      https://economics.rikkyo.ac.jp/research/laboratory/pudcar000000088g.html

    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書

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公開日: 2020-04-28   更新日: 2024-12-25  

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