研究課題/領域番号 |
20K02261
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分08020:社会福祉学関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
中津 真美 東京大学, バリアフリー支援室, 特任助教 (90759995)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2020年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
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キーワード | コーダ / CODA / 聴覚障害 / ヤングケアラー / 親子関係 / 役割逆転 / 家族支援 / 障害者福祉 / 聴覚障害者 / 子ども支援 / 障害者家族 |
研究開始時の研究の概要 |
聴覚障害の親をもつ健聴の子ども(Children of deaf adults;以下、CODA)は,幼少期より親の通訳を担い,子どもでありながら親を支援・擁護することから,健聴の親子の発達経緯とは異なる,親子の役割逆転の関係性が指摘される(中津・廣田,2012)。従ってCODAと親に対する支援の必要性が指摘され,本研究ではCODAと親に向けた支援プログラム開発を試みる。 まず,支援プログラム開発の基盤となる親子の課題と支援ニーズを,親子関係の個別性と発達段階に応じて分類し,次いで支援プログラム(CODA版/親版)を開発する。講師には当事者を置き,プログラムを実施・効果測定して内容を精緻化する。
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研究実績の概要 |
聴覚障害のある親をもつ健聴の子ども(CODA)は、幼少期から親の通訳を担い、固有の親子関係課題を呈することが指摘される(中津・廣田,2012)。本研究では、CODAと親の課題に即応する支援プログラム(CODA版/親版)を開発することを目的とする。 昨年度の予備的実践結果を基に、今年度は、CODA版は自己理解を、親版はCODAの心理理解を目的とした集合型プログラムを考案した。開催形式は、CODA版はオンラインと対面を組み合わせ計4回、親版はオンライン計3回とした。次いで、CODA12名と親9組を対象にプログラムを実践検証した。CODA版では、昨年度までの結果をもとに質問紙を作成し、初回と最終回に回答を求めて効果を検証した。なお、質問紙は心理的課題3カテゴリ(①親への困惑/②親の受け入れ/③自立を選ぶ)と親子関係課題2カテゴリ(④積極的に守る/⑤仕方なく守る)で構成した。親版では、最終回に、自由記述による質問紙への回答を求めた。 実践の結果、CODA版の質問紙各カテゴリ平均点の前後比較では、①が弱化し、それ以外は増加しており、プログラムの効果が伺えた。⑤の増加は、無意識に抑制していた負の感情に気づく契機を得た結果と考察した。但し、いずれも統計的有意差は認められなかった。CODAの年代間でも差はなかった。自由記述の質的分析では、CODAでは5つの機会(CODAである自己の気づきと理解/他の仲間との出会い/ネガティブ感情払拭/親子関係を見つめ直す/エンパワメントされる)が、親版では、4つの機会(CODAの気持ちの理解/子育ての不安払拭/子育てのヒントを得る/エンパワメントされる)が見出された。 今後も、研究代表者主体にプログラムを継続実施し、対象者数や開催数を増やすなどして量的分析でも効果を示せるようにする。また、コンテンツを精緻化させ、全国各地で展開可能なしくみを構築したい。
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