研究課題/領域番号 |
20K02264
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分08020:社会福祉学関連
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研究機関 | 日本女子大学 (2022-2023) 愛知県立大学 (2020-2021) |
研究代表者 |
中尾 友紀 日本女子大学, 人間社会学部, 教授 (00410481)
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研究分担者 |
畠中 亨 立教大学, コミュニティ福祉学部, 准教授 (70750818)
百瀬 優 流通経済大学, 経済学部, 教授 (00386541)
吉中 季子 神奈川県立保健福祉大学, 保健福祉学部, 准教授 (70434800)
宮地 克典 東北学院大学, 経済学部, 准教授 (80814962)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 国民年金 / 皆年金体制 / 福祉国家 / 基礎年金 / 最低給付 / 制度設計 / 支給開始年齢 / 厚生官僚 / 行政事務 / 老齢年金 / 母子年金 / 遺児年金 / 社会保障制度審議会 / 定額制 / 最低生活費 / 勤労者皆保険 / シングルマザー / 母子福祉年金 / 寡婦年金 / 財政再計算 / 事務組織 / 国民皆年金 / 厚生年金保険 / 最低生活保障 / 福祉国家体制 / 社会保険文庫 / 年金財政計画 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、日本の福祉国家体制形成の重要な岐路となった皆年金体制とは、どのような体制だったのか、その基盤となる国民年金は、どのように制度設計されたのかについて、歴史分析、財政分析、理論分析に区分して多角的に明らかにする。分析対象とするのは、立案者らが国民年金を制度設計した際に検討材料とした資料である。それによって国民年金の創設時の制度設計について、歴史分析では、根拠とした理念等、財政分析では、財政計画の妥当性を分析する。また、歴史分析及び財政分析の結果を基にした理論分析では、皆年金体制の確立が福祉国家体制に与えた影響を検討し、日本の公的年金制度が直面する現代的課題の構造的要因を明らかにする。
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研究成果の概要 |
本研究で焦点を当てたのは、皆年金体制の基盤である国民年金の形成過程である。 社会保険文庫から複写され、保管されていた国民年金関係資料をPDF化し、史資料として整理した。ただし、特に財政関係の史資料は複写の精度が低かったために、当該資料を用いた分析が困難であった。このため歴史及び理論分析についても財政分析を踏まえられなかった。 しかし、本研究では各メンバーによって、特に歴史分析として、創設時の老齢年金や母子年金、遺児年金の制度設計に加えて、その運用を担う事務組織を分析できた。また、理論分析として歴史分析を踏まえて皆年金体制の社会保険概念や最低生活保障概念への影響について議論できた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
年金制度は、改正時の経路依存性の高さが指摘されている。したがって、一旦選択された制度が自己強化していく、その動態的な過程を明らかにすることは、現代的な課題解明のためにも重要である。 実際に、日本の公的年金制度においても、現行制度に特徴的な規定の多くは、創設時の制度設計に起源がある。つまり、本研究によって国民年金創設時の制度設計を明らかにできれば、基礎年金が最低給付を保障する機能を有していないこと等、公的年金制度が直面する現代的課題について、その構造的要因を明確化できると考えられる。
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