研究課題/領域番号 |
20K02265
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分08020:社会福祉学関連
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研究機関 | 武庫川女子大学 (2022-2023) 大阪市立大学 (2020-2021) |
研究代表者 |
清水 由香 (丸山由香) 武庫川女子大学, 心理・社会福祉学部, 講師 (90336793)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2023年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | 障害者 / きょうだい / 精神障害者 / 家族支援 / 障害者問題 / 障害児・者のきょうだい / 障害児・者の家族 / きょうだい支援 / 障害児・者きょうだい / 障害児・者福祉 / プログラム評価 |
研究開始時の研究の概要 |
障害児・者を同胞にもつ人(以下、きょうだい)の現代的なニーズに適した効果的支援プログラムの支援モデル(ロジックモデル)構築と支援ガイドブックの開発をめざす。そのために、本研究は①きょうだい支援の実相の把握とプログラム理論を援用した効果的支援モデル構築。また、②ロジックモデルを基に日本における「きょうだい支援」の実践状況とその課題を解明する。③当事者性に由来する支援資源の開発過程の解明として、きょうだい当事者で支援主体者の経験の語りから支援者への転換点と支援に対する意味づけや支援の方向性を探究する。④以上から、日本におけるきょうだい支援の現況と課題および支援体制構築に資する指針を提言する。
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研究実績の概要 |
研究目的:精神障害者のきょうだいを対象に、1)きょうだいが同胞とどのような関係をとり、家族を含めた人間関係の取り方にどのような特徴があるのか、2)それらが障害のある同胞の状況、およびライフコースによりどのような変化の特徴があるのか明らかにすることである。 研究方法:精神障害がある同胞をもち、思春期青年期に同胞と暮らした経験がある30歳代から50歳代の4組(5名)にインタビュー調査を行った。調査時期は令和5年7月~令和6年1月である。2組は精神障害者のきょうだい会に所属し、他の2名は機縁法により協力依頼を行った。いずれも同胞は兄の立場で、きょうだいは女性が3名、男性2名。事例ごとに自身の同胞に対する認識、家族を含めた社会関係の状況と時間軸にそって整理し、共通点や類似傾向を分析し考察した。 結果・考察:4事例の共通点は、同胞の発病前後の「状況が変化し不安定期な期間」は漠然とした不安感を抱え、理解しようと情報を探索する。同胞が発病し医療機関を受診した時期にきょうだいは、医師や親から同胞の病状について説明を受けたり、親と話し合う機会が無かった。次に「同胞と距離をとる期間」(高校生~進学・就職)がある。きょうだいは同胞と関わりを意図的に避ける、あるいは進学を機会に実家から離れる傾向があった。この期間、同胞を気になりながらも、周囲に同胞のことをほぼ開示せず相談することはない。しかしきょうだいは結婚等新たな家族形成時に、必要に応じて周囲の人に伝える傾向があった。それは同胞自身の病状の安定化、および一定期間、同胞と距離をとり関係を客観視可能にしたこと、精神疾患の課題が社会化してきたことが影響していると考察した。次に親の高齢化により、同胞の生活に向き合う時期に至る。本結果からきょうだいにとって、思春期青年期の時期に課題を抱えやすいことが判明し、今後、親を含めた支援を検討すべき点と考えた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
前年度からの進捗の遅れにより、当初の研究計画を見直し、焦点化する研究テーマの方向転換を図った。さらに研究協力者の探索が進まず、調査研究の進捗が遅れた。
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今後の研究の推進方策 |
今年度、主に精神障害のある人のきょうだいの人々の思春期青年期に心理社会的課題に対応すべく、家族に対する包括的な本人理解を促進する要因を探索する計画である。知的障害のある人のきょうだいの課題の対処との違いを明らかにするために、家族会の会員を対象に、親世代を含めてきょうだいにライフコースごとの課題およびその対処について量的調査を実施する計画である。
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