研究課題/領域番号 |
20K02267
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分08020:社会福祉学関連
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研究機関 | 高知県立大学 |
研究代表者 |
長澤 紀美子 高知県立大学, 社会福祉学部, 教授 (50320875)
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研究分担者 |
武内 今日子 東京大学, 大学院情報学環・学際情報学府, 特任助教 (20980585)
西梅 幸治 高知県立大学, 社会福祉学部, 准教授 (00433392)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 性的指向・性自認(SOGI) / ソーシャルワーク教育 / LGBTQ / 性的マイノリティ / クィア / 交差性(インターセクショナリティ) / ソーシャルワーク / 社会福祉教育 / 社会福祉士 / 精神保健福祉士 / LGBT / 性的指向・性自認 / SOGI / LGBT(Q) / SOGI(性的指向・性自認) / クィア理論 / 社会福祉士養成教育 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、①多様性の要素である性的指向と性自認(SOGI)に関する社会福祉専門職の養成教育の内容と支援課題について、国際的な先行研究や職能団体の指針、先駆的な教育実践報告等の文献及び教員や支援者に対する質的調査から整理する。 ②日本ソーシャルワーク教育学校連盟会員校に対し、性の多様性に関する教育実践及び性的少数者である学生の実習配属等養成課程での課題について量的調査ならびに質的調査から明らかにする。 ③日本の社会福祉士養成教育への導入を目指し、クィア概念に基づくSOGIに関する福祉専門職養成プログラムを開発し、試行的に実施し効果測定を行った上で、導入に向けての具体的な課題を明らかにする。
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研究実績の概要 |
質的調査として、一昨年度より、少数であるが、クィア視点を持ち、性的指向・性自認に関する相談支援業務を行っている社会福祉士・精神保健福祉士・NPO法人のシェルター等の支援者にインタビューを行ってきた。支援者の語りを通じて、日本における中高年のLGBTQ+、特にトランスジェンダーの生活上の課題が不可視化されていることが確認できた。具体的には、トランスジェンダーのセクシュアリティと貧困や障害との交差的な問題を抱え複合的な困難を持つことが専門職にも理解されにくいこと、高齢となり介護が必要な状態となったトランスジェンダーが医療福祉従事者に偏見を受け、性自認に沿った扱いをされない等の否定的な経験をしているケースがあることが明らかとなった。そこで、不可視化されてきた中高年のトランスジェンダーの生涯にわたり蓄積されてきたトラウマ経験の理解及びトラウマ・インフォームド・ケアをソーシャルワーク教育に含める必要性を認識し、アメリカ・イギリスにおけるソーシャルワーク教育におけるトランスジェンダーに関する内容やトラウマインフォームドケアについて、日本社会福祉学会第71回秋季大会(特定課題セッションⅡ)にて報告を行った。 トラウマ・インフォームドケアの観点からは、意識的・無意識的にせよ、専門職がクライアントに再トラウマ化を与えないことが重要であり、そのために必要な知識として、セクシュアリティや交差性の理解と共に、福祉専門職がセクシュアリティに基づく困難を潜在的に持つ人がいることを前提に、AOP(反抑圧的実践)の視点を持ち、抑圧や差別を生まない支援を行う意識を共有する必要性について学会分科会で共有できた。今後論文として公表することが課題である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
所属機関の管理職(学部長)として、公務での業務負担が増加したため。
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今後の研究の推進方策 |
本研究成果から派生した、トランスジェンダーに関するソーシャルワーク教育の必要性やソーシャルワーク教育におけるトラウマインフォームドケアの導入の効果や課題については、2024年度から採択された科研(♯24K05338「トランスジェンダーのトラウマに対するTICを応用したソーシャルワーク教育の開発」)に継承して研究を継続する。また、LGBTQ+に関するソーシャルワーク教育については、アメリカ・イギリス・カナダでの教育を参考にわが国での必要な要素や指導教員に求められる内容について、本研究成果として最終取りまとめを行い、成果を論文として公表する。
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