研究課題/領域番号 |
20K02271
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分08020:社会福祉学関連
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研究機関 | 広島工業大学 (2021-2022) 筑波学院大学 (2020) |
研究代表者 |
板井 志郎 広島工業大学, 工学部, 准教授 (00398934)
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研究分担者 |
下田 篤 千葉工業大学, 社会システム科学部, 教授 (10633365)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | ロボットセラピー / レクリエーション / 認知症 / 高齢者福祉 / コミュニケーション / 高齢者福祉施設 / レクレーション |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では,申請者がこれまでに開発したシーズ技術としての高齢者福祉施設における「シナリオ型ロボットセラピー」を,事前に実施した介護現場のニーズ調査にマッチングさせることで,研究を進める.具体的には,介護職員がロボットに代用してほしいと考える機能(司会進行,場の盛り上げ(笑いを取る)) のみをロボット化(自動化)し,介護職員の働き甲斐である「利用者との関わり」をレクリエーションにおいて増やすことにより,「介護サービスの質の向上と介護職員の負担軽減の両立」を実現させる.さらに,研修を含めた現場での使用方法についても研究することで,開発した介護ロボットシステムを現場において定着させる.
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研究実績の概要 |
高齢者福祉施設では,認知症対策,QOL向上,高齢者の自立支援などの観点から,レクリエーション活動が重要な役割を果たしている.一方で,介護人材不足の影響で,現場の介護職員が,この準備や運営に関与する余裕がない現状もある.そこで,本研究では,ロボットなどのICTを活用することで,「介護サービスの質の向上と介護職員の負担軽減の両立」を実現させることを目指している. 2022年度は,2021年度開発したパワーポイント(マイクロソフト社製)のスライドを人型ロボットが自動でプレゼンテーションを行うシステムを,デイサービスのレクリエーションで運用することを試みた.スライドの変更のみでレクリエーション内容を変えることができる本システムは,介護職員の働き甲斐である「個々の利用者に寄り添う」ことを実現するという観点で介護職員に好評であり,介護職員は利用者の特性や興味に合わせてスライド内容を変更することを積極的に行っていた.結果として,本システムが,レクリエーションのマンネリ化を防ぐことや利用者への個別対応など,介護サービスの質の向上に有効であることを確認できた. あわせて,2022年度は,レクリエーションのマンネリ化を防ぐための別の手法として,トリックスターに着目したロボットシステムの開発を行った.トリックスターは,神話や昔話におけるいたずら好きとして描かれるキャラクターであり,結果として,変容や創造がもたらせる.そのため,トリックスターのような「困った存在」が居れば,同一のことをしても,マンネリ化が防げるのではないかと考えた.具体的には,ペット型ロボットAIBO ERS-310(ソニー社製)が,レクリエーションの定番である体操を,トリックスター的動作を含めて実行できるシステムを構築した.本システムは,今後,介護施設で実際に運用し,その有効性について検証する予定である.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
コロナ禍の影響により,ロボットセラピーを初めて実施する施設において,本研究で開発したロボットセラピーシステムを運用することが十分にできていないため.
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今後の研究の推進方策 |
コロナ禍は収束に向かっているが,今後も,研究者が自由に介護現場に立ち入ることが難しい状況がしばらく続くことが予想される.そのため「介護職員を対象とした実施マニュアルの作成と研修システムの確立」や「シナリオ型ロボットレクリエーション用システムの実践と評価」については,2022年度の研究で開発した介護現場におけるロボットやコンピュータを遠隔操作するシステムを活用して,できる限り計画通りに研究を推進できるようにする.
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