研究課題/領域番号 |
20K02279
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分08020:社会福祉学関連
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研究機関 | 聖隷クリストファー大学 |
研究代表者 |
川向 雅弘 聖隷クリストファー大学, 社会福祉学部, 教授 (80737841)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2021年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2020年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
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キーワード | 高齢重度知的障害者 / 施設移行 / 施設理念 / リーダーシップ / 良きトップダウン / 合意形成 / のぞみの園 / 運営法人の性格 / 理念 / 現場の納得 / 覚悟 / 運営法人の設立出自 / リーダー / トップダウン / 納得 / 重度知的障害者 / 高齢者施設 / 入所受け入れ / 障壁 / 組織内合意プロセス |
研究開始時の研究の概要 |
高齢者入所施設には、介護保険制度に依拠する点で、介護報酬がともなわない手間のかかるかかわりが必要となる利用者の受け入れが敬遠されるという制度構造上の問題、さらに、多くの施設が特に重度の知的障害者へのかかわりを経験してこなかったという経験不足、施設の物理的構造的問題、専門性の不足等を背景として、重度知的障害者の受け入れに「二の足を踏む」という現場状況が顕在している。 そこで、本研究は、先駆的に取り組む高齢者施設の実践を詳らかにし、重度知的障害者の受け入れを積極的に進めるための具体的な方略を示したい。その成果は、高齢者施設の課題のみならず、知的障害者入所施設における実践の内省を促すものにもなる。
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研究実績の概要 |
本研究は、重度知的障害者の受け入れに先駆的実践を行う高齢者施設の協力を得て次の3点に焦点化し研究を進めている。すなわち、①重度知的障害者の入所受け入れに取り組む高齢者施設が地域の中でどのような役割を期待され、また、障害者支援施設や関連組織とどのような関係性を築いていたのか、そして、重度知的障害者の入所受け入れを積極的に検討するきっかけとなった内発的動機や要請された役割期待について。②重度知的障害者の入所受け入れの背景を踏まえながら、組織内でどのような検討がされたのか、受け入れへの条件整備、受け入れに向かう組織合意形成の障壁となった問題、管理者や職員集団が抱える葛藤、合意形成への取り組みが組織全体にもたらした影響や成果について。③重度知的障害者の入所受け入れに向かう合意プロセスと合意の成立要件についてである。 研究初年度からこれまで、コロナ感染症対策の影響で研究自体が予定通りに進んでいないが、国立重度知的障害者総合施設のぞみの園の地域移行事例(約170事例中高齢者施設への移行は5事例)のうち、調査に同意を得ることができた特別養護老人ホーム3施設(静岡県伊豆の国市、群馬県北群馬郡、佐賀県多久市)で上記①~③に焦点化したインタビュー調査を実施することができた。コロナ感染予防対策から、調査のための越境が制限され、既に同意を得ている1施設(広島県三原市)については調査保留となっており、2023年度に実施したいと考えている。2022年度については、長野県中野市にある障害者支援施設を訪問し、入所施設の縮小と閉鎖に向かう合意形成のプロセスについて聞き取り調査を行った。高齢知的障害者の施設移行の事例ではないが、組織内合意プロセスの形成過程を研究する上で有意義な調査であった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
コロナ禍で、調査予定施設における他県者受け入れが困難であったため、研究進捗が当初計画から約1年遅れとなっている。既に3施設の1次調査は終了しており、現段階での調査のまとめと、残った1施設への調査の実施(Zoom等での調査を検討する)が急務である。しかし、2022年度には調査保留中の施設にかわる、他施設における代替え調査を実施することができた。
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今後の研究の推進方策 |
①保留中の調査を実施すること。②その上で、国立重度知的障害者総合施設のぞみの園の地域移行事例についてまとめる。③2022年度に実施した、長野県中野市の障害者支援施設における入所施設の縮小と閉鎖に向かう実践の組織内合意プロセスについてまとめる。④長崎県の社会福祉法人における知的障害者の地域生活支援を調査する。⑤以上①~④を報告書としてまとめる。
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