研究課題/領域番号 |
20K02311
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分08020:社会福祉学関連
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研究機関 | 大阪経済大学 |
研究代表者 |
森 詩恵 大阪経済大学, 経済学部, 教授 (30341283)
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研究分担者 |
服部 良子 大阪公立大学, 大学院生活科学研究科, 客員准教授 (10183089)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2021年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2020年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 非正規労働者 / シングル女性 / 社会保障リテラシー / 女性労働 / 貧困 / 非正規雇用 / シングル / 社会保障 / 女性 / 社会福祉 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の目的は、現在、行政の支援からこぼれ落ちている①「非正規シングル女性」に焦点をあて、②各研究者の専門性(労働・社会保障)を活かした二つの視点から、③全国規模 のアンケート調査や企業・労働組合・支援団体へのヒアリング調査により、その生活実態と 課題を明らかにすることである。そのうえで、④「社会保障リテラシー」の獲得が生活リス クの軽減と今後の生活展望に与える影響を検証するため、その学習内容・学習会プログラム を開発し、⑤学習会前後に「非正規シングル女性」に行うアンケート・インタビュー調査分 析によって、その効果と今後の自立支援に向けた方策を導き出すことである。
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研究実績の概要 |
まず、本年度は、「2020年度非正規で働くシングル女性の実態調査」の追加分析を行った。その際、調査分析の背景や実情を詳細に把握するため、札幌市男女協働参画センターに対して札幌および北海道の非正規シングル女性の状況ヒアリングも実施した。このことによって、非正規シングル女性の実情や地域性がさらに明確になった。これらについては、第145回社会政策学会共通論題「コロナ禍の労働と社会政策―労働者の生活を支える政策とは―」で発表し、非正規シングル女性支援への問題意識とその議論の重要性を提示した。 そして、「社会保障リテラシー」学習会に向けた取り組みとして「シングル女性のための終活ー仕事・暮らし・生き方」と題したセミナーをクレオ大阪子育て館(男女共同参画セミナー)と共同開催し、対面(47名)とオンライン参加(43名)をあわせて90名の参加があった。このセミナーでは、シングル女性の生き方についての講演(読売新聞「シングルスタイル」編集長森川暁子氏)と実態調査の報告をあわせて行い、シングル女性へその課題や対応策についての情報発信を行なった。 研究成果の公表は、論文投稿・公開(1.「非正規シングル女性の労働・生活状況と『社会保障リテラシー』~「2020年度非正規シングル女性実態調査」をもとに~」、2.家族介護者の現状と今後の支援ー非正規シングル女性を中心に)として行なった。また、非正規シングル女性の現状や課題に対する社会への情報発信としては、①朝日新聞DIGITAL (2023年3月8日 「約半数が200万円未満 非正規シングルの苦境は自己責任なのか)への掲載、②高齢社会をよくする女性の会での講演「介護とジェンダーーケアするのは誰?ー」(2022年9月11日)によって行なった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
これまでの研究成果を論文公開・学会報告、セミナー開催、ホームページでの公開という形で行えた。また、多様な分野から寄稿や講演の依頼もあったことから、この非正規シングル女性に対する研究テーマは、年齢層問わず、幅広いものであることが理解でき、広く現状と課題を周知することができた。また、この3月に新聞記事にもあらためて取り上げられたことから、非正規シングル女性支援に対する注目度と重要性、社会の関心の高さを再び認識した。
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今後の研究の推進方策 |
1年間研究期間を延長し、新型コロナウイルス禍で十分行えなかった追加のヒアリング調査を実施する準備を始めている。また学習会の前段にあたるセミナーを昨年開催できたことから、現在、「社会保障リテラシー」に関するプログラム構築に向けてもさらに準備を行なっている。今年度は最終年度であるため、研究の総括を行い、研究成果を報告する予定である。
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