研究課題/領域番号 |
20K02332
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分08030:家政学および生活科学関連
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研究機関 | 東京農業大学 |
研究代表者 |
風見 真千子 東京農業大学, 農学部, 准教授 (60761046)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | デハイドリン / 特徴的配列 / 置換変異 / 凍結変性防止効果 / 未利用資源 / 大豆 / 食品物性改良効果 / ポイントミューテーション |
研究開始時の研究の概要 |
デハイドリンは、種子形成後期に発現するタンパク質であり、乾燥等のストレス条件下で発現が誘導され、植物組織のタンパク質や膜を保護する機能を持つ。そのアミノ酸配列上には、いくつかの特徴的な配列の存在が報告されており、近年、その中でもK-segmentと呼ばれる配列が乳酸脱水素酵素の凍結変性防止に寄与している可能性が報告されている。しかし、デハイドリンが食品の物性に与える影響について、特徴的配列に着目し検証された例はこれまでにない。そこで本研究では、大豆由来デハイドリンの部分置換組み換えタンパク質を作製し、それらの食品に対する物性改良効果を比較することで、作用メカニズムを明らかにしていく。
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研究実績の概要 |
野生型(N末端にY-segment、C末端にK-segmentが存在:Y-K)のプラスミドを鋳型に、変異型①(N末端のY-segmentをS-segmentに置換:S-K)、変異型②(N末端のY-segmentをK-segmentに置換:K-K)、変異型③(C末端のK-segmentを2個のY-segmentに置換:Y-YY)、変異型④(C末端のK-segmentをY-segment、S-segmentに置換:Y-YS)、変異型⑤(C末端のK-segmentを2個のS-segmentに置換:Y-SS)の部分置換変異導入を行った。タンパク質発現誘導後、精製を行い、得られた部分置換デハイドリン組み換えタンパク質をSDS-PAGEで分離し、CBB染色を行ったところ、野生型および変異型①、③、④、⑤は31kDaに、変異型②は32kDaにバンドが検出された。また、ヒスチジン抗体を用いたWestern Blottingではいずれの組み換えタンパク質もCBBと同じ分子量に単一のバンドか検出され、デハイドリン抗体(エピトーブ:K-segment)を用いたWestern Blottingでは野生型、変異型①、②でバンドが検出され、変異型③~⑤はバンドが検出されなった。以上の結果より、5パターンの部分置換デハイドリン組み換えタンパク質の発現に成功したことを確認した。 さらに、デハイドリンは乳酸脱水素酵素(LDH)に対して凍結変性防止効果を示すことが明らかになっていることから、 発現させた部分置換デハイドリンタンパク質がLDHに対する凍結変性防止効果を有しているのか解析した。その結果、変異型③は他の組み換えタンパク質に比べて賦活および凍結変性防止能が低い可能性が示された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
当初の予定よりも部分置換体の組み換えパターンを増やしたことに加え、3つの特徴的配列をターゲットに組み合わせを変える変異導入を行ったため、反復配列などが原因で変異導入に予想以上の時間を要し遅れが生じた。
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今後の研究の推進方策 |
発現に成功した部分置換組み換えデハイドリンタンパク質を用い、食品の物性に関与する他のタンパク質機能に与える影響を解析する。さらに、タンパク質系食品中における部分置換組み換えタンパク質の局在と食感との関連性を明らかにする。
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