研究課題/領域番号 |
20K02336
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分08030:家政学および生活科学関連
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研究機関 | 畿央大学 |
研究代表者 |
東 実千代 畿央大学, 健康科学部, 教授 (10314527)
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研究分担者 |
大友 絵利香 畿央大学, 健康科学部, 講師 (20524961)
久保 博子 奈良女子大学, 生活環境科学系, 教授 (90186437)
佐々 尚美 武庫川女子大学, 生活環境学部, 准教授 (50379525)
小濱 朋子 静岡文化芸術大学, デザイン学部, 教授 (50736014)
磯田 則生 奈良女子大学, その他部局等, 名誉教授 (60016871)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | 高齢者 / 温熱環境 / 熱中症 / フレイル / 介入 / 可視化 / ユニバーサルデザインン / 行動変容 / 生活習慣 / 視覚 / 住まい方 |
研究開始時の研究の概要 |
健康意識の高まりにより、高齢者の行動体力の向上が報告される一方で、近年では健康な状態と日常生活における介護状態の中間であるフレイルの進行予防が重要視されている。フレイルとは、適切な介入や支援により改善が見込まれる状態像と定義され、生活機能の維持向上と健康寿命の延伸が課題である。加齢に伴い、温度調節、免疫、適応能力等の防衛体力は低下するため、適切な室内温熱環境の維持は重要である。 本研究では、高齢者のなかでも特にフレイルに着目し、室内環境および住まい方に関する実態調査を通して課題を整理し、アセスメントの実施と室内温熱環境の可視化による介入が環境調節行動の変容に与える効果について検証を行う。
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研究成果の概要 |
フレイル高齢者の熱中症予防に向けた環境調節行動を促す介入方法の検討を目的として、室内温熱環境を可視化するツールを工学、住環境学、看護学、ユニバーサルデザインを専門とする研究者が連携して開発した。これは、熱中症リスクが高まる高温環境を感温印刷による色や図柄の変化という感覚的な情報で知らせるものである。人工気候室で変色精度や反応速度を検証し、高齢者の自宅に設置した結果、可視化ツールを日常的に見る行為は室温や自身の温熱感覚に対する意識向上に寄与していた。さらに、温度計の確認や室温調節などの熱中症予防につながるが行動が認められ、ツールを用いた介入による効果が確認された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究で開発した温熱環境の可視化ツールは、わざわざ見なくとも目に入るよう、生活必需品であるティッシュケース、多様な設置方法に対応したフレキシブルツールとして制作し、認知的負荷を低減させる特徴を持つ。よって、熱中症に関する一般的な情報提供や温度計の配布などによる介入では効果が得られにくかった層に対する行動変容に寄与し得る。日常生活にツールを取り入れると、そこに温熱環境の感じ方や好みなどに関するコミュニケーションが生まれ、環境に対する気づきの機会を創出する。本研究で主な対象としたフレイル高齢者に限らず、数字や文字が認識できない幼児や子どもの暑熱対策をはじめ、様々な展開が期待できる。
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