研究課題/領域番号 |
20K02346
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分08030:家政学および生活科学関連
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研究機関 | 県立広島大学 |
研究代表者 |
谷本 昌太 県立広島大学, 地域創生学部, 教授 (80510908)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2023年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 次世代シーケンサー / 貯蔵 / 魚 / 揮発性成分 / 脂質酸化 / 菌叢解析 / 腐敗 / トリメチルアミン / 魚肉 / ハマチ / 品質 |
研究開始時の研究の概要 |
実際の食生活を考えた場合,安心を担保した上でだれもが魚をおいしく食べるためには、その腐敗に至るまでの貯蔵中における微生物菌叢の変化挙動とともに、それが関わる品質変化についても客観的に測定できる指標を明らかにする必要がある。 そこで、本研究では、難培養性の微生物測定をDNAレベルで可能とする次世代シーケンサーを用いて各種条件で貯蔵した魚肉における微生物菌叢の変化挙動を分析する。また、揮発性成分をガスクロマトグラフィー/質量分析法と臭い嗅ぎ分析法を併用して分析し、腐敗に至るまでの各段階における魚肉の臭い成分の同定を行うともに貯蔵中のそれら成分の変化を調べ、品質評価のための臭い成分指標を構築する。
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研究実績の概要 |
品質劣化への脱酸素包装およびスーパーチルド(SC)貯蔵の抑制効果を明らかにすることを目的として、異なる包装および温度条件で腐敗に至るまで貯蔵した養殖ブリ肉の生菌数、腐敗指標(TVB-NおよびTMA)、脂質酸化指標(TBARS)、揮発性成分および微生物菌叢の変化について検討した。 一般生菌数は、貯蔵0日目と比較して、含気包装した普通肉(OM)、血合肉(DM)はともに氷蔵で貯蔵14日以降およびSCで56日以降において有意に増加した。一方で、脱酸素包装の場合、氷蔵のOM、DMはともに貯蔵56日目において有意に増加し、SCのOM、DMはともに貯蔵期間中にほとんど増加が認められなかった。各腐敗菌については、包装および温度条件に関わらず、一般生菌数と同様の傾向を示した。脱酸素包装は、氷蔵、SCともに含気包装と比較してDMの褐変を抑制することができた。TVB-Nは、普通肉、血合肉ともに同一の温度条件において貯蔵中の変化に包装条件の違いによる大きな差は認められなかった。TMAは、同一の温度条件において脱酸素方法することにより含気方法と比べて増加することが示された。TBARSは、貯蔵0日目と比較して、含気包装したOM、DMはともに氷蔵で貯蔵14日以降およびSCで28日以降において有意に増加したが、脱酸素包装した氷蔵およびSCのOM、DMはともに貯蔵期間中に有意な増加は認められなかった。現在、揮発性成分の分析および微生物菌叢の解析を行っている。 以上の結果から、脱酸素包装により、腐敗の遅延、変色防止および脂質酸化の抑制効果があり、さらにSCとの併用においてよりその効果が増強されることが示唆された。しかし、腐敗指標については、脱酸素包装における増加遅延効果は認められなかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
引き続き,コロナウイルスの影響により実験の遅れを生じた。
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今後の研究の推進方策 |
遅れている部分について,人役を重点的に投入することにより遅延している項目について実施することで,最終的には当初予定してた内容を実施することができる。
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