研究課題/領域番号 |
20K02351
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分08030:家政学および生活科学関連
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研究機関 | 武庫川女子大学 |
研究代表者 |
竹本 由美子 武庫川女子大学, 生活環境学部, 准教授 (90581926)
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研究分担者 |
谷 明日香 四天王寺大学短期大学部, その他部局等, 准教授 (30413446)
小野寺 美和 甲南女子大学, 人間科学部, 准教授 (90523762)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
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キーワード | 蓄光布 / りん光輝度 / 災害 / 視認性 / 文字識別 / 燐光輝度 / 暗所 |
研究開始時の研究の概要 |
予期せぬ災害に伴う停電や火災による視界不良時は、救助者及び被災者相互に認識が難しい。そこで、身に着けているものに自ら発光する「蓄光布」を用いれば、暗所での迅速な対応に有効な手段となる。そこで、これまでの研究を発展させ、災害時を想定した実用性について検証する。蓄光布による文字識別の有効性、立体的活用による高視認性と燐光輝度の持続性の改善、実際に蓄光布が役割を果たす災害時を想定した視界不良時における視認性評価を試みる。さらに、実用可能な高視認性衣服を製作し、暗所での着用性と視認性を検証する。これらを蓄光布の評価基準の設定に活かすことで、人の安心・安全を実現できる蓄光布の利用拡大に繋げる。
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研究実績の概要 |
当該年度は、前年度より測定している蓄光布を立体形状とした場合の燐光輝度の測定を継続し、様々な立体形状について検討した。蓄光織布を用いてノード数と高さが異なる試験片を作製し燐光輝度を計測したところ、平面形状の蓄光織布に対して約3倍の燐光輝度を示す立体形状の蓄光織布を作製することができた。安全標識に使用される蓄光素材の輝度性能は、JIS規格にて輝度クラスが規定されており、本研究で作製した立体形状の蓄光織布は、燐光輝度だけでなく残光性共に輝度クラスJAをクリアした。 また、災害時を想定した視界不良時の蓄光布の視認性評価のため、実験装置の準備とりん光輝度の測定をおこない、被験者実験をおこなうための準備と予備実験を実施した。実験装置として簡易ドラフトを特注で作成し、密閉された空間を準備した。その中に煙を充満させるためスモークマシンを購入し、煙を発生させた空間において、視認対象物となる蓄光布がどの程度確認できるか、まずは煙霧環境における蓄光布の燐光輝度の測定を予備実験として実施した。当該年度内では本実験ができるまでに到達しなかったため、延長承認申請をおこない次年度に実験を継続する。 VR機器を活用した実験方法についても、VR機器を提供している企業の担当者から説明やレクチャーを受けて、実際に実験が可能かを検討した。VR機器の活用については、まずはVR画像の準備にかなり時間を要すことがわかり、ヒトが視認している状態を同じように画像を準備するには、どのように撮影できるのか、撮影機器等を分担者と共に検討した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
コロナ禍により実験環境及び評価実験を延期したため、当初の計画より遅れが生じているが、当該年度で被験者実験を実施する実験環境がほぼ整えることができた。次年度継続して実験をおこなうため、延長申請をおこない認められた。
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今後の研究の推進方策 |
当該年度で得られた結果について、まず学会で発表をおこなう。その後、新型コロナウィルス感染状況により延期していた、災害時を想定した視界不良時の蓄光布の視認性について主観的データを得るため被験者実験の実施を計画している。当該年度で作製した立体形状の蓄光織布は、燐光輝度だけでなく残光性共に輝度クラスJAをクリアしたが、実際にヒトがどの程度視認が可能か、煙霧環境下において実験的に視認性の評価をおこなう。さらに、蓄光による文字の視認性についても煙霧環境下で評価実験をおこなう予定である。 VR機器を活用した実験方法については、ヒトが視認している状態を同じように画像を撮影する方法について、専門家からの情報等を得る機会を設定して、これからの研究に活かす予定である。
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