研究課題/領域番号 |
20K02356
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分08030:家政学および生活科学関連
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研究機関 | 京都文教短期大学 |
研究代表者 |
望月 美也子 京都文教短期大学, 食物栄養学科, 准教授 (20367858)
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研究分担者 |
長谷川 昇 同志社女子大学, 看護学部, 特任教授 (10156317)
長屋 郁子 岐阜市立女子短期大学, その他部局等, 講師 (10360223)
山田 恭子 佛教大学, 保健医療技術学部, 教授 (20191314)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | ビタミンD / 自閉症スペクトラム障害 / ASD / 発達障害 / 妊婦 / 乳幼児 / 妊娠期栄養 / 小児栄養 |
研究開始時の研究の概要 |
自閉症スペクトラム障害(ASD)などを含む発達障害は、子どもの発達の早い時期から症状が現れ、その発達過程に大きな影響を与えることが広く知られている。ASD児は健常児と比較して、血清ビタミンD濃度が不足または欠乏状態であることが海外にて報告されている。 そこで、妊娠期からの栄養教育と支援が、母体の血清ビタミンD濃度欠乏状態を改善し、9ヶ月児に及ぼす影響を明らかにすることを第一の目的とする。また、ASD児の血清ビタミンD濃度を測定し、ASDを発症しない小児の血清ビタミンD濃度のカットオフ値も検討する。さらに、最終年度は、医療系多職種が連携し、ASD児のビタミンD補充によるASD症状の緩和効果の検討を目的とする。
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研究実績の概要 |
自閉症スペクトラム障害(ASD)などを含む発達障害は、子どもの発達の早い時期から症状が現れ、その発達過程に大きな影響を与えることが広く知られている。ASD児は定型発達児と比較して、血清ビタミンD濃度が不足または欠乏状態であることが海外にて報告されている。近年、世界的にはASD児の血清ビタミンD濃度に関する研究が散見されるようになったが、日本人ASD児の血清ビタミンD濃度の維持が障がいに及ぼす影響を明らかにした報告はない。 以上のことから、妊娠期からの栄養教育と支援が、母体の血清ビタミンD濃度と児に及ぼす影響を明らかにすることを第一の目的とする。また、ASD児の血清ビタミンD濃度を測定し、ASDを発症しない小児の血清ビタミンD濃度のカットオフ値も検討する。さらに、最終年度は、医療系多職種が連携し、ASD児のビタミンD補充によるASD症状の緩和効果の検討を目的とする。 本来であれば、令和3年度以降は、妊娠期からの栄養支援による母体の血清ビタミンD濃度欠乏状態の改善と母乳栄養の影響を明らかにすることを計画していたが、新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、医療機関へ研究者が入ることによる感染リスクと妊婦の身体的・精神的負担を考慮し、妊婦を対象とした研究活動を一時中止せざる状況となっている。そこで、ASD児の血清ビタミンD濃度を明らかにし、さらに介入によるビタミンD3摂取がASDの中核症状を改善するかどうか詳細に検討した。その結果、介入前の血清ビタミンD濃度は、約65%の児が20ng/mL~30ng/mL の不足状態、約30%は20ng/mL以下の欠乏状態であった。ビタミンD3の経口介入によって、不足群が50%減少し、欠乏群は75%減少することが明らかとなった。これらのことから、今後は被験者数を増やし、ASDを発症しない小児の血清ビタミンD濃度カットオフ値を求める予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
上述したとおり、新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、令和4年度は、妊婦を対象とした医療機関における研究活動を一時中止せざるを得ない状況となった。 一方、ASDを発症しない小児の血清ビタミンD濃度カットオフ値を求めるための基礎研究ととして、ASD児の血清ビタミンD濃度測定を精査することができた。 今後は、妊娠期からの栄養支援による母体の血清ビタミンD濃度欠乏状態の改善と母乳栄養の影響を明らかにしたいと考えている。また、ASD児に対して栄養介入だけでなく医療系多職種の介入を実施し、ASD児のビタミンD補充によるASD症状の緩和効果の検討もより詳細に明らかにしたいと考えている。
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今後の研究の推進方策 |
上述したとおり、新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、令和4年度は、妊婦を対象とした医療機関における研究活動を一時中止せざるを得ない状況となったが、令和5年度から5類に移行することもあり、これまで延期していた妊娠期からの栄養支援による母体の血清ビタミンD濃度欠乏状態の改善と母乳栄養の影響を明らかにする。 具体的には、妊婦および児の身体検査、栄養調査、血液検査、母乳の測定を実施する予定である。また、ASDを発症しない小児の血清ビタミンD濃度カットオフ値を求めるため、ASD児の血清ビタミンD濃度測定と栄養調査も実施する予定である。
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