研究課題/領域番号 |
20K02366
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分08030:家政学および生活科学関連
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
八幡 彩子 (谷口彩子) 熊本大学, 大学院教育学研究科, 教授 (90259763)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2020年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
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キーワード | 特別支援学校高等部 / 家庭科 / 情報活用能力 / 食品の選択 / 消費生活 / 生活設計 / 特別支援学校 / 住生活 / 熊大附特 / 特別支援学校高等部家庭科 / ICT化 / プログラミング的思考 / 衣類の管理 / 特別支援教育 / 知的障がい / ICT / 遠隔授業 / 授業開発 |
研究開始時の研究の概要 |
平成31年告示「特別支援学校高等部学習指導要領」では、小・中・高等学校との連続性の観点から教科内容等の充実が図られた。知的障害のある児童生徒に対し、どのように家庭科の学習指導を行っていくのかについては、家政学・家庭科教育の観点から、未だ十分な研究は行われていない。本研究では、①新学習指導要領に準拠した知的障害のある生徒の状況を考慮した家庭科の授業開発と実地授業による有効性の検証 ②特別支援学校高等部の特色ある教育課程を勘案したカリキュラム作成・3年間を見通した家庭科の指導計画の立案 ③高等部卒業後の生活的自立に家庭科がどのように貢献したのか、その有効性の検証 の3点から研究に取り組む。
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研究実績の概要 |
令和5年度も、熊本大学教育学部附属特別支援学校高等部において、1~3年次の家庭科の授業を参観・記録し、分析・考察を行った。おもな実績は以下の通り。 (1)令和5年6月に行われた熊大附特高等部第2学年では、食品の選択に関する授業(「特別支援学校高等部学習指導要領」第2章第2節第1款〔家庭〕(1段階・2段階)内容B「イ 日常食の調理」)が行われた。冒頭で、家庭科における「生活の営みに係る見方・考え方」ならびにSDGsの視点と関連について把握を行い、本時の授業の流れを確認しており、生徒に学習の視点と見通しを持たせるための導入段階の配慮が行き届いていた。さらに、「賞味期限」と「消費期限」の違いを学んだ後、それらの概念を活用(適用)して、トマト、きゅうりなどの野菜の選び方を端末を使って実際に「選択」する授業が行われた。野菜の実物ではなく、端末・モニターを用いて写真・映像による野菜の色や形状などの視覚情報を根拠に、食品が新鮮かどうかを「判断」する授業は、知的障がいがある生徒に適した学習方法と考えられる。 (2)令和5年10月に、高等部第1学年と第3学年で行われた消費者教育の授業は、それぞれ一般社団法人全国銀行協会と熊本県消費生活課(消費生活センター)からゲストティーチャーが招かれ、いずれも卒業後の生活に関わるリアルな題材設定で、高等部の生徒が学ぶ意義がある授業であった。特に前者においては、特別支援学校以外の一般高校においても現行教育課程で充実が求められる「生活設計」を題材とするもので、全国銀行協会ならではの家計収支に関するデータをふまえ、カードゲームを用いて学ぶ提案性のある授業であった。知的障がいのある生徒の学習の様子に着目したが、ゲストティーチャーと学級担任との適切な連携・支援により、特別支援学校における「生活設計」の授業モデルになりうる授業実践であった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
補助事業期間に、新型コロナの影響を受け、授業実践校への立ち入りが難しかったこと、授業観察が可能になってからも、同校における調理実習等の授業を実施することが困難であったため。さらに、令和5年度、文部科学省の委託事業2件の立案者として事業実施に関わることとなったため、本研究のための十分な時間が確保できなかった。
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今後の研究の推進方策 |
残す作業は、特別支援学校高等部において実施された授業の分析とそれらのとりまとめ(報告書作成)である。今年度は他のプロジェクトに関わる予定はないため、時間の確保は可能である。
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