研究課題/領域番号 |
20K02380
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分08030:家政学および生活科学関連
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研究機関 | 地方独立行政法人大阪産業技術研究所 |
研究代表者 |
大江 猛 地方独立行政法人大阪産業技術研究所, 森之宮センター, 主幹研究員 (10416315)
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研究分担者 |
吉村 由利香 地方独立行政法人大阪産業技術研究所, 森之宮センター, 総括研究員 (00416314)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
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キーワード | 皮革 / メイラード反応 / 鞣し効果 / 糖質 / フェントン反応 / 還元糖 / なめし効果 / 架橋反応 / 濃色着色 / ゼラチン / オソン類 |
研究開始時の研究の概要 |
自然界で安定に存在できるPETなどの高分子材料の多くが海洋中で微粒子化し、マイクロプラスチックとして生体や環境に対して有害物質になることが世界的な問題となっている。牛などの家畜や海洋資源から得られる皮革は、食料の生産時に大量に得られるため、難分解性の高分子材料を利用した合成皮革の代替として大きく期待できる材料である。しかしながら、コラーゲンタンパク質主体の皮革は耐熱性が低く、有害で環境負荷の高いクロムイオンによる処理工程が必要となっている。本研究では、糖質の中でも反応性の高い還元糖の酸化物をタンパク質間の架橋剤に応用することによって、安全でクロム処理の代替となる皮革の処理技術を開発する。
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研究成果の概要 |
石油化学製品である合成皮革はマイクロプラスチックを生成することから環境負荷の高い材料として規制される可能性が高い。一方、天然皮革は、生分解性に優れる反面、耐熱性を向上する目的で有害なクロムを使用している。本研究では、フェントン反応によって得られる還元糖の酸化物と皮革との反応によって、皮革の着色とともにタンパク質間を架橋することによって皮革の耐熱性を改善できることを明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究で得られた研究成果は、食経験のある還元糖を原料に利用しているため、羊毛、絹、皮革などのタンパク質由来の工業製品だけでなく、安全性が求められる食品、化粧品、医薬品などの多岐にわたる製品開発の基礎となる研究として学術的意義が高い。さらに、生体内でも同様の反応が起こっていることから、老化の原因の一つとされているAGEs(終末糖化産物)の生成メカニズムの解明に対して有益な情報を提供することも期待できる。
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