研究課題/領域番号 |
20K02381
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分08030:家政学および生活科学関連
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研究機関 | 弘前大学 |
研究代表者 |
李 秀眞 弘前大学, 教育学部, 准教授 (30588926)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2023年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | 超高齢社会 / 社会保障 / 老後生活認識 / 高齢者ケアセンター / コロナパンデミック / 地方移住への関心 / 生活満足度 / 夫婦間役割分担 / 高齢夫婦 / 中年無配偶者 / 社会資本 / 老年期夫婦 / 就労経験 / 家事労働 / 中高年層 / 家計構造 / 生活設計 / 高齢者 |
研究開始時の研究の概要 |
人々は、一生を通して、生活上の様々な出来事(例えば, 卒業, 就職, 結婚, 出産, 転職, 離職, 失業, 引退・退職等)を経験する。今後の超高齢化社会の到来を見据え、高齢者が引退・退職後にも社会活動参加等を通じて健康で、活気ある老年を迎えられるために、国レベルでの支援はもちろんのこと、個人レベルでの準備が必要である。 本研究では、引退・退職前後の生活の変化への対応は、その後の生活の質を大きく左右することに着目する。その際、「幸福寿命」の要素として挙げられる、健康面、経済面、社会的活動、人間関係を含む分析を行うため、生活設計の観点に立つ。
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研究実績の概要 |
今年度の成果は、①学術論文の学会誌への掲載、②学会における研究発表、③日韓の高齢者ケアセンターに対する資料収集の3つである。第1に、学会誌へ1本の学術論文を掲載した。日本の社会保障に対する期待認識と老後生活認識について、年齢階層別の違いに注目した研究を進めた。①『超高齢社会日本の社会保障に対する期待認識と老後生活認識-年齢回答別の差異に注目して』((家族資源経営と政策、27(3) pp.39-52)では、生命保険文化センターの生活保障に関する調査データを用いて、年齢階層別に‘社会保障に対する期待認識’と‘老後生活に対する認識’がどのように異なるのかについて分析した。分析結果、すべての年齢階層で、公的健康保険に関する期待水準が他の社会保障に対する期待水準より高いことが明らかになった。また、年齢階層が高くなるにつれて、公的健康保険で医療費を賄うことができるという期待認識は低くなることが確認された。また、社会保障制度に対する期待が老後生活認識に与える影響は、公的健康保険の期待水準が老後生活認識にポジティブな影響を与える重要な要素であることが確認された。第2に、韓国家族資源経営学会2023オンライン秋季学術大会において、『日本社会の少子化対応の現状と課題―韓国社会への示唆点-』について研究発表を行った。2023年3月31日に公表された、「日本の異次元の少子化対策」について紹介した。また、今まで、政策施行後の効果についての評価がなされていないことを指摘した。したがって、少子化対策を実際に少子化現象を解決する方向にいかせるためには、政策実行後の政策検証が必ず必要であることを強調した。第3に、日本と韓国の高齢者ケアセンターの現状および普及した背景についての文献考察を行った。現在、引退後に高齢者ケアセンター等の利用者を対象に聞き取り調査を進める準備をしている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
生活保障の実態と期待認識、老後認識が捉えられる公開データ(調査主体は生命保険センター、データは東京大学社会科学研究所データアーカイブから入手)を用いて、社会保障が老後の生活にどのような効果をもたらしているのかについて研究を行った。また、高齢者ケアセンター等の高齢者施設が普及した背景についての文献研究を行い、それを踏まえて、高齢者ケアセンター等の利用者に対する聞き取り調査を計画することができた。
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今後の研究の推進方策 |
第1に、高齢者ケア―センター等の高齢者施設について、利用状況、利用者層などの文献調査を行ったうえで、利用者を対象としたインタビュー調査を計画している。第2に、大量調査データ分析を通して、日本と韓国における高齢化の現状および高齢者対策の類似点および相違点に着目し、日本と韓国の二国間比較の観点から、引退・退職経験が高齢者の生活に及ぼす影響等についての分析を進め、学会発表を行ったが、それを元に学会誌への投稿・掲載を目指す。
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