研究課題/領域番号 |
20K02400
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分08030:家政学および生活科学関連
|
研究機関 | 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構 |
研究代表者 |
一法師 克成 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 食品研究部門, 上級研究員 (30355606)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
|
キーワード | ターゲット・プロテオミクス / プロテオティピックペプチド / 牛乳 / ヤギ乳 / alpha-S1-casein / beta-lactoglobulin / LC/MS/MS / タンパク質 / ラクトトランスフェリン |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、牛乳および乳製品の加工特性、機能性やアレルゲン性などに関与するタンパク質集団(以下、牛乳プロテオームとする)を、ターゲット・プロテオミクスの経験のないLC/MS/MSの利用者も含めて、迅速かつ容易に定量し、解析することを可能にする牛乳プロテオーム解析用プロテオタイピックペプチドライブラリを作成する。さらに、本ライブラリの有用性を示すため、その応用例として、機能性タンパク質であるラクトフェリンの定量法を開発する。本ライブラリは、牛乳プロテオームを対象とする各種研究等に広く利用される研究基盤となる。
|
研究実績の概要 |
牛乳の主要なアレルゲンであるcasein類は、加熱による影響を受けにくい。この中で、牛乳タンパク質の約30%を占め、最も多く含まれているalpha-S1-caseinは、多数のIgEエピトープをもちアレルゲン性が高い。また、牛乳タンパク質の約10%を占めるbeta-lactoglobulinも代表的なアレルゲンである。alpha-S1-caseinとbeta-lactoglobulinは、ともに人乳には存在しないタンパク質である。 alpha-S1-caseinを産生できないヤギが、高頻度にSwedish Landraceに存在することが報告されている。そこで、国内で流通しているヤギ乳のalpha-S1-casein量を明らかにすることを主な目的として、牛乳およびヤギ乳のalpha-S1-caseinとbeta-lactoglobulin 由来の共通のプロテオティピックペプチドをSelected Reaction Monitoring(SRM)で検出する、高速液体クロマトグラフィー/タンデム質量分析計(LC/MS/MS)を用いた、牛乳とヤギ乳のalpha-S1-caseinとbeta-lactoglobulinの比較定量法を構築した。 本定量法を用いて、市販の牛乳とヤギ乳(粉乳を含む)のalpha-S1-caseinとbeta-lactoglobulinを比較定量したところ、ヤギ乳(粉乳を含む)のalpha-S1-casein量は、牛乳のalpha-S1-casein量より少なかったが、alpha-S1-caseinが検出されないヤギ乳サンプルはなかった。一方、beta-lactoglobulinについては、alpha-S1-caseinのような、牛乳とヤギ乳間に大きな違いはなかった。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度の研究実施計画通りに進捗している。
|
今後の研究の推進方策 |
lactophorin(別名:glycosylation-dependent cell adhesion molecule 1)は、milk fat globule membrane (MFGM)上に存在するリン酸化糖タンパク質である。牛乳のlactophorinは、抗ロタウィルス活性や抗細菌活性が報告されており、また、牛乳の加工において、安定な乳化特性を示す。これら有用な性質を有するlactophorinについて、牛乳およびヤギ乳の含有量を比較するため、牛乳およびヤギ乳のlactophorinに共通のプロテオティピックペプチドを用いたLC/MS/MSによる定量法を構築する。また、本定量法を用いて、粉乳を含めた市販の牛乳およびヤギ乳のlactophorinを比較定量する。
|