研究課題/領域番号 |
20K02407
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分08030:家政学および生活科学関連
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研究機関 | 静岡県立大学 |
研究代表者 |
桑野 稔子 静岡県立大学, 食品栄養科学部, 教授 (20213647)
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研究分担者 |
亀山 詞子 日本女子大学, 家政学部, 講師 (30732945)
井上 広子 東洋大学, 食環境科学部, 教授 (60438190)
橋本 彩子 京都女子大学, 家政学部, 講師 (70781813)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 130千円 (直接経費: 100千円、間接経費: 30千円)
2020年度: 3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
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キーワード | 咀嚼能力 / 心身の健康状態 / 食事調査 / 食・生活習慣 / メンタルヘルス / 健康状態 |
研究開始時の研究の概要 |
近年、児童の心理的ストレスやメンタルヘルスに関する課題、不登校の増加など、心身の健康問題が増加し、社会問題となっている。一方、咀嚼は、心身の健康に多大な影響を及ぼす可能性があるが、近年、「噛めない・噛まない」等の児童の摂食機能が問題視されている。 そこで、本研究では、児童の習慣的咀嚼能力と心身の健康状態の実態を把握し、習慣的咀嚼能力に関連する要因を明らかにすることを目的とし研究を遂行する。1~2年目は、小学校5年生の児童とその保護者を対象に咀嚼能力測定、客観的および主観的心身の健康状態、食・生活習慣、食事調査などを実施し、2~3年目にデータ解析、関連要因の検討、学会発表、論文投稿を目指している。
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研究実績の概要 |
児童を対象とした咀嚼能力と精神的健康状態との関連の調査研究については、ほとんど報告されていない。そこで、本研究では、児童の咀嚼能力と心身の健康状態、食生活・生活習慣との関連を明らかにすることを目的とした。 本学研究倫理審査委員会の承認後、S県S市内の小学5年生138人とその保護者を対象に、調査を実施した。咀嚼能力は、ロッテ キシリトール咀嚼力チェックガムを用いて測定した。また、身体計測(In Body470で測定)、歯科検診と体力調査結果(学校実施結果)、簡易型自記式食事歴法質問票(BDHQおよびBDHQ15y)による食物摂取状況調査、健康状態、食生活、咀嚼状況等に関するアンケートによる調査を実施した。以上の調査結果の全て揃った児童104名とその保護者を解析対象者とした。咀嚼能力は、咀嚼能力の指標であるΔEにより、咀嚼能力が低いΔE50%ile未満群、咀嚼能力が高いΔE50%ile以上群に分け、咀嚼能力と心身の健康状態や食生活・生活習慣との関連について解析を行った。 咀嚼能力の高いΔE50%ile以上群は低いΔE50%ile未満群と比較し、体力調査では、20mシャトルランの成績が有意に高かった。また、健康状態では、朝の目覚めが有意に良好で、身体的な不定愁訴が少ない傾向がみられた。さらに、精神的健康状態に関しては、学校生活におけるQOLが有意に高く、抑うつのリスクが低い傾向や仲間関係における支援の必要性が低い傾向がみられた。 本研究により、高い咀嚼能力が児童の良好な心身の健康状態に寄与している可能性が示唆された。また、体力調査で高い項目が見られ、身体能力との関連が示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
2020年度は、新型コロナウィルス感染拡大の影響により、休講措置などで研究対象者の小学校での受け入れが困難だったことと、調査者の安全性を確保するため、調査の実施は見送らざるを得ない状況であった。そのため、研究計画が遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
2024年度は、研究目的についての解析を詳細に進め、児童の咀嚼能力と心身の健康状態に関する客観的評価ならびに相互関連の解明を検討していく予定である。
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