研究課題/領域番号 |
20K02408
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分08030:家政学および生活科学関連
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研究機関 | 県立広島大学 |
研究代表者 |
杉山 寿美 県立広島大学, 地域創生学部, 教授 (10300419)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | 野菜 / 加熱 / 体積 / ペクチン / 軟化 / ナトリウム / 保存 / テクスチャー / 真空調理 / 加熱調理 |
研究開始時の研究の概要 |
我々が日常摂取している食品の多くは連続相が固体であるコロイド食品であり,連続相と分散相の状態が日々の食事のおいしさを決定している。本研究では,加熱調味した野菜等がコロイド食品であることに着眼し,分散相と連続層の状態変化(空隙の大きさ,充填物質,可溶化等)を把握,加熱調味が野菜等のテクスチャーやおいしさをどのように決定しているのかを明らかとするとともに,クックチルシステムや真空調理へのそのメカニズムの展開を目指す。
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研究成果の概要 |
本研究では,加熱野菜の加熱,保存,再加熱過程での体積,水分量,可溶性ペクチン量を把握し,おいしさの変化要因を明らかとすることを目的とした。結果,加熱野菜の重量および水分量は,加熱時に減少,保存時に増加,再加熱で減少したが,体積は保存時に増加しなかった。また,食塩を含む調味液加熱において,保存時に野菜内部のNa量が増加し,破断応力の低下と可溶性ペクチン量の増加が認められた。これらから,保存時に,細胞間に加熱溶液が流入し,Naの浸透が軟化を促し,同時に,隣接する細胞を圧縮するために体積増加が生じない重量増加が生じていると考えられた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の目的は,加熱野菜のおいしさが変化するメカニズムを解明し,クックチルシステムや真空調理法にそのメカニズムを展開することである。本研究の結果,加熱野菜の保存過程において,ペクチンの可溶化やテクスチャー変化が生じていることが明らかとなり,また,野菜へ浸透するNa量を減少させることや,野菜からのペクチンの溶出を抑制することで,加熱後の状態を維持できることが示唆された。本研究は,給食施設等のみでなく,家庭においても加熱調理後に保存した料理を食する機会が多くなっている中で,加熱野菜のおいしさの変化要因を構造変化から明らかとしたものであり,応用可能な調理科学研究である。
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