研究課題/領域番号 |
20K02412
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分08030:家政学および生活科学関連
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研究機関 | 高崎健康福祉大学 |
研究代表者 |
村松 芳多子 高崎健康福祉大学, 健康福祉学部, 教授 (40320709)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2023年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | カビ / ダスト / 生活環境 / フィルター |
研究開始時の研究の概要 |
私たちの生活活動の拠点である住生活環境は、人が長時間にわたって過ごす空間である。改正建築基準法が公布・施行され、建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律の一部が改正された。住宅の省エネ性向上のための措置により、住宅環境の気密性は一層高まることになる。これまでに住生活環境の室内塵(ダスト)と室内空中カビの相関性について検討を試みたが、統計学的に必要な数量を確保するに至らなかった。そこでフィルター回収法による室内塵(ダスト)試料の収集による住生活環境のカビ汚染の実態と健康被害を調査し、技術的な測定方法を確立するとともに、リスク評価と客観的な評価法の作成を行う。
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研究実績の概要 |
フィルター回収法による室内塵(ダスト)を収集と、掃除機による室内塵(ダスト)を比較検討するために、太平洋側地区1カ所と内陸側地区1カ所、および日本海側地区2カ所を拠点に継続的に採取した。同時に室内外住環境カビ動態調査のためにカビ汚染評価測定に用いられる①落下法、②エアーサンプラー法(AS法)、③迅速測定可能なパーティクルカウンター法(PC法)、④カビによる生菌と死菌の簡易測定方法等による機器測定を実施した。 調査住宅の4カ所のカビ室内塵(ダスト)中のカビCFUの年別・月別推移は、月ごとに変動が多少みられた。ダスト1 gあたりの生菌数(CFU)は、10の4乗個~10の5乗個の範囲で、フィルター回収による採取方法では10×10 cmあたり10の4乗個程度、さらにフィルターに付着したダスト1g当りの場合は、10の5乗個程度であった。なお1住宅においては、フィルター採取方法の付着ダスト1g当りの場合は、10の3乗~10の4乗個程度と低い傾向にあった。これは、採取方法が他の住宅と異なる方法による影響と考えられた。 気温と湿度によりカビ空中落下菌は変動した。掃除機内のダストとフィルター回収法によるダストは、採取期間でほぼ一定傾向にあることがであった。また、フィルターに付着したダストの法の方が掃除機中のダストより、1g当りのカビ生菌数が高い傾向がみられた。カビ種については、すべての住宅でCladosporiumとPenicilliumおよびYeastが高頻度に検出された。なお、日本海側の住宅ではAsp. versicolor等の好稠性カビの検出頻度が高かった。内陸側地区住宅ではカビ空中落下菌の生菌数が多い傾向がみられ、経年変化を鑑みても他の地区住宅よりも空気中のカビ飛散が多い傾向がうかがえた。空気流動(対流)が内陸側地区の場合は、太平洋側地区と日本海側地区と異なり近隣の山々の森林や植物の影響等もあると推察する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
漸くCOVID-19の収束し行動制限が解除されたため、本調査が可能となった。しかし、今後の研究を円滑に行うため、様々な観点から調査計画を検討することにした。ダスト法とフィルター回収法を比較するため、フィルター回収法の測定前後にフィルターの質量を測定し付着ダスト量あたり菌数測定へ変更した。
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今後の研究の推進方策 |
予備調査によりデータを一定量収集することができた。測定方法をより効率よく比較するために、数種類のフィルターを用いた基礎試験を実施する。フィルターの種類別の菌叢に変化がないかを確認する。フィルターおよび菌株の準備等を含め他研究機関の研究者と検討を行いながら実施する方針である。
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